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最終更新日:12/10/2011
キケンなお土産 [japon 日本で]
今年の収穫直後に日本へ帰ったときの恐ろしいお話です。
みなさん、コレ、何だか分かりますか?
コレだけじゃ何ともですね・・・。
ではこれでどうでしょう?
何となく見当は付くでしょうか。
左がシャルドネ果汁
右がピノ・ノワール果汁
どちらも収穫後、プレスして絞りたて(1週間以内)です。
イメージされている葡萄ジュースと変わりないでしょうか?
実はこのジュース、この時点では単なる100%果汁の激ウマ葡萄果汁なんですが、当然ながらこの後彼らはワインへの変化を遂げる為の葡萄果汁である事を覚えておいて下さいね。
このジュースはこの後、タンク内で澱落とししてデブルバージュという上澄みと不溶成分の分離をするのですが、クリーンになると果汁はこんな感じになります。
シャルドネです。
ピノノワールです。
タンク内は15度位で低温に保たれる為、この時点でまだ発酵は始まっていません。
以前、このジュースの味について書いたと思いますが
このピュアな状態のジュースが美味しいということは非常に重要な事です。
私は丁度この時期にお仕事で日本へ帰国したのですが
シャンパンの生産者を囲むイベントがあった為、ワイン好きなお客様たちに面白いお土産を思いつきました。
そうです、この時期フランスはもう20度を切っている気候ですので、冷蔵庫で保管していた果汁も大人しかったので、もう2~3日位なら大丈夫だろうと、浅はかにもこの葡萄果汁を日本へ持ち帰る計画を思いついたのです。
だって、本当に美味しかったから・・・
この時期しか味わう事のできないものだし、
ワインは飲めても、こんな果汁状態で飲むことは余程生産者に近しい人間でなければおいそれと経験できないから・・・。
(お恥ずかしい話ですが、
当時、それがどれ程キケンな事か考えるより先に、この果汁を前にして喜ぶ人の顔しか考えていませんでした。)
この面白いはずのお土産は「よからぬお土産」だったのです。
帰国直前の画像。
(収穫が早かったピノは既に微発酵が始まっています。)
瓶底に酵母が溜まり始まっているのです。
何とか無事に帰国して
生産者と合流して日本縦断を始めるころはピノはもう完全に発酵しだしました。
(実はこのペットボトルが没収されなかった事自体が奇跡なのですが)
日本上陸直後の炭酸葡萄ジュースです。
味わいは、アルコールの無い発泡果汁。
ワインにこの味わいがちゃんと見つけられるんですよ。
葡萄の味わいも勿論あるのですが
日本で食べる食用葡萄とは全く違うのがフランス(ワイン用)の葡萄。
濃厚な甘さ、透き通った酸味、
トロピカルなフルーティさがあります。
シャルドネは熟したパイナップルや若いマンゴー、グレープフルーツに陸奥のようなリンゴのフレーバーがあります。
ピノノワールは以前書いたと思いますが、ブルガリアローズに似た香りがあり、濃厚な甘さと、突き抜けた独特の酸味があります。
さて、すでにペットボトルの形がぱんぱんに膨れ上がっていましたが
そうなるともう、あっという間にますます発酵が進んでいきます。
(しかも帰国時の日本は半袖でもいいんじゃないのと言うほど温かかったので大人しかった筈のシャルドネまで景気よく発泡し始めました。)
中盤の関西のレセプションでもお出ししようと考えていたピノは既に限界です。
それでもこの時限爆弾をクーラーボックスに入れ、意地でも次のレセプションへ向かった訳です。
そこで何とか他の知り合いでこの果汁の味見をしたいだろうプロ軍団にもすぐに集まってもらえるように連絡しました。
そして、新しいペットボトルを持ってきて果汁を分けようとした時にとうとう事件は起こりました。
何度も何度もガスを抜いて気を付けていましたが、原形を留めない位膨れ上がったボトルに嫌な予感を感じながら、レセプションの丁度出発直前に果汁の詰め替えを行おうとした時の事です。
キャップを開けかけた途端
部屋の中で大爆発です。
F1の優勝選手も真っ青な勢いで泡は噴水のように湧き上がってしまっています。
部屋中に拡散するのを防ごうと必至で蓋を力一杯押さえながら大急ぎでバスルームに駆け込み、泡が収まるのを待つしかありません。
ほんの一瞬ですが、なんと長く感じた事でしょう。
気が付くと、500ml のペットボトルのピノ果汁は3分の1まで減っていました。
(もうプロの試飲分なんて残っている筈もありません。)
ちなみに部屋中、物凄い甘い香りが充満しています。
しかも糖分でベトベトです。
(噴水の後ですからね)
すぐさま大掃除の開始です。
(後10分で出発しなければなりませんが私も葡萄ジュースまみれです。)
何故か気分はスパイ大作戦のように焦ります。
フランス人との待ち合わせはこういう時、助かります。
(彼らは決して時間通りに集まりませんから。)
え?
手伝ってもらわないの?
その方が時間が倍掛かりますから頼みません。
その後の私の慌て振りは皆さんのご想像におまかせします。
ギリギリでロビーにて落ち合い、私は何食わぬ顔でレセプションに向かいました、
が目眩がする思いでした。
生産者は会場で私のペットボトルの果汁の減り具合を見て
(モチロン発酵状態も分かっていたので)目を点にしました。
「ホントに持って来てたの?危ないなぁ。」
「はい、相当キツ~い洗礼受けましたよ。」
「信じられない!シャルドネは?」
「この2日が山ですね。」
(ここでシャルドネの状態を聞くのもどうだかなと思いますけど、そこはフランス人ですから・・・。)
発泡がすごい状態になってるし・・・。
「まだ運ぶ気なの~?よしなよ~。」
「悪いけど、新幹線で爆発したら私と一緒に心中だよ。」
「飛行機じゃないから爆発しても死なないよ。」
そう、そうだったんですよ。
・・・・飛行機で爆発しなくて本当に良かったと心から思いました。
危うく私は意味も無くテロリストになるところだったのですから・・・・。
その夜、お客様たちはこの旬の珍しい葡萄果汁を味わい、大満足されたようですが
もう二度と出来ませんので。
(って、してはいけない事ですから・・本当は・・・。)
ただの天然果汁と違って、ワインにする果汁ですから、搾取した時点で少し薬品を添加します。
(微生物の不必要な作用で雑菌等の繁殖を防ぐ為)
なのですぐに腐る事はないだろうと思っていましたが、果汁が間もなく発酵する事を忘れていました。
天然酵母の作用の凄さを改めて実感した次第です。
お陰でPCも果汁まみれで大変な被害を受けましたが
勉強になりましたよ、トホホ。
人様に危害が無かっただけ心から良かったと思っています。
(飛行機で気圧が変わるとキケンだからと、通常のシャンパンでも持ち込みもトランクに入れて預けるのも非常にウルサイ中、ホント、一歩間違えたら大変な事故になるところでした。)
忘れていたとはいえ無謀な行動は恐ろしい事です。
2006年の最もコワい失敗談ベスト3です。
良い子 大人は決して真似をしないようにお願いします!!
(え?私だけですか?・・・・)
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大爆発でしたか。シャンパーニュPN果汁シャワー!
浴びてみたい!ってすいません。
勝手なことをのたまわって。。
by Wino (2006-12-17 22:57)
ワインになる果汁の発泡力って、ほんの短い期間でもすごいんですね。
部屋の中はさぞかしあまーく心地良い香りに、それもほんの一瞬にして包まれたのでしょうね~。自分が被害(?)に遭った時を思い出します(遠い目・・・・・・苦笑)。
それにしてもシャンパンの機内持ち込み、気圧のせいでウルサイんですね。良かった~、買わなくて。
by yk2 (2006-12-18 00:19)
すごい発酵力&発泡力ですね。こうやって写真つきで見てみると実験のようですね(笑)
「あ~やっちゃった」、と思ってるのに皆様からご批判までいただいてしまったjulliezさん、思い出に残る事件でしたね。
by TaekoLovesParis (2006-12-18 02:21)
wino sama
あとはベタベタですよ~。
by julliez (2006-12-18 04:25)
yk2さま
自然を舐めたらダメですね。
シャンパンを舐めたら、泣く事になります。
号泣・・・。
by julliez (2006-12-18 04:27)
taeko sama
このときは必至でしたが、
センセには大笑いの上に大目玉でレッドカード出されるわ
生産者からは愚か者呼ばわりされるわ、そして笑われるわで
そういうウケを狙った訳じゃなかったんですが・・・。
by julliez (2006-12-18 04:30)
いや~、大変でしたね。
今後、このような無謀なことは止めましょうね^^
julliez さんの慌て振り、見てみたかったですよ。
by (2006-12-18 09:05)
はらはらしながら読みました。
そんなテロリスト集団がいたら喜んで人質になって洗礼を浴びたくも思われますが・・・・
勝沼のワイナリーで販売しているジュース(ジュース用のジュース)は味が濃くてとても美味しいので、ワインとあわせて買いますが、それのもっとずっと美味しいものなんでしょうね・・・・・
ブルガリアローズの香りのピノノワールジュースは、夢に出そうです。
by noriko (2006-12-18 11:06)
何事もなくて(!?)よかったです~(><)
でも、聴いておいてよかったです~私、絶対何も考えずシャンパン買って帰ってしまいますもん。
・・・
え??シャンパーニュへ行っても、シャンパン買って帰れないってことになるでしょうか??スティルワイン持込より難関なんですね・・・(悩・・・困)
・・・
あれ?そういえば私毎回日本の飛行機にシャンパン持込で乗ってました(汗)
by シェリー (2006-12-18 13:39)
読んでいて冷や汗ですよ~これはー
飛行機で爆発せず良かったですね~
ピノノワールを飲んでみたいけど、見たことないのでクリスマスはシャルドネに決まり~
by yoocomint (2006-12-18 15:05)
大変でしたね ワインを楽しむのも・・・・・
でも、こんな経験したくても、ワインの里でないと・・・・・
by toraneko-tora (2006-12-18 19:39)
みなさま、コメントにナイスをありがとうございます。
★シンナツさま
ハイ、以後気をつけます。(^^;)
★てんとうむしさま
もうちょっと笑える所もあったはずですが、ちょっと中途半端に終わりました。
でも、あのベタベタはコリゴリです。
★シェリーさま
多分持ち込みは大丈夫だったかも知れません(過去)。
国内線は大丈夫でしょう(気圧が国際線と違うし・・)が、今は厳しいですからどうでしょうね。
規則は分かりませんが、シャンパンは他のワインより瓶が重いのであっという間に重量オーバー・・なんて事になるので苦労して持って帰る位なら送った方がいいと思いますよ。
シェリーさんがこちらにいらしたら1本や2本のお土産位でで済まないはずでしょうから・・・(笑)
★yoocomint さま
シャルドネも美味しいですよ。
クリスマスにはピッタリです♪
感想聞かせてくださいね
★tora san
収穫の最終日に葡萄投げをするするんですが、まさにあの状態・・・。
ベトベトで人間ステッカーの出来上がりです。(笑)
by julliez (2006-12-18 22:26)
ぎゃー!
凄い事になってしまいましたね。
手に汗を握りながら、ハラハラ、ドキドキ・・・で読みました。
昔、中学校のバス旅行で友人が、コーラを凍らせて持ってきました。
飲もうと、開詮した瞬間・・・
この瞬間に似ていますかねぇ~???
by (2006-12-19 23:33)
ここで、このお話をアップなのね(笑)
このシャルドネ ごちそうさまでした。
自然の力はすごいねやっぱり・・・
懲りずにしちゃダメよ!!
by delphy (2006-12-20 16:05)
りんりんさま
コメントを見ただけであの悪夢が蘇りました^^;
そう、そんな感じをたった一人で経験しました・・・(汗)
by julliez (2006-12-20 19:10)
delphy sama
タンクや樽だと酵母が合唱する何ともいえない感慨深い状態なんですよ。
でも日本暑すぎでしたわ。
次回はアルザスの果汁・・・。
と思いましたがそんなタイミングで帰国できる事はもう無いでしょう。
っていうか、笑ってますけど本当にキケンなんですよ。
(江戸では感激されたのに、やっぱり関西の人は笑いにもっていくのね。)
by julliez (2006-12-20 19:23)
遅まきながら・・・読みました!
想像して笑いながら。
ごめんなさいね~でも、よかったですね~テロリストにならずにすんで。
by めぎ (2006-12-22 09:49)
あれ、私はこの記事読み逃げしていたのですね。でもこの話、おかしすぎてキョーレツに記憶しています。
遅ればせながら、この記事リンクさせていただきたいと思います^^
by aia (2008-04-06 05:05)