SSブログ

merci de votre visite !

ご訪問ありがとうございます。
いつもお構いできなくて、スミマセン。


[ひらめき]最終更新日:12/10/2011

Le Guide Hachette des Vins 2012 [travail 仕事いろいろ]

R0014833-1.jpg

この時期になると、フランスでは一斉に
ワインフェアやワイン祭りが開催されます。

そしてファッション雑誌から専門誌までワイン特集が組まれます。

中でも、愛好家やプロの間でマスト・チェックな専門誌も
こぞって発売されるのがこのシーズンです。

ではそんな専門誌の情報源である、評価の為の試飲は
どのように行われているか、
少しご紹介してみましょう。

 

まず、専門誌から

日本でもすでにプロだけでなく、愛好家の皆さんも一度は目にした事があるのではないかという
ワインと生産者のガイド本に

Le Guide Hachette des Vins
という分厚い専門誌があります。

 

Guide Hachette Des Vins 2011       FL

Guide Hachette Des Vins 2011 FL

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: Sfl Societe Francaise Du Livre
  • メディア: ペーパーバック
Guide hachette des vins 2012

Guide hachette des vins 2012

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: Hachette
  • 発売日: 2011/09
  • メディア: ハードカバー

 

2012年の最新版に当たっては
だいたい3月の終わり頃から4月の後半にかけて数回に分けて
生産者から出されたサンプルをまとめて試飲されました。

テイスターは、
生産者、エノログ(醸造家)、ソムリエなど、ワインに関わるプロと
ごく少数ですが国内の愛好家も参加して行われます。

生産者によっては、評価されたキュヴェだけに注文が殺到するとか
生産量が少ないので提出しないところもありますが
やはり名だたるドメーヌやシャトーも名を連ねており
フランス(欧州)国内で生産者を訪問して直接買い付けをしたり
プロのバイヤーがチェックする重要な情報源の一つであるため
その内容は非常に有効活用出来ると思われます。 

例えば目についた生産者のワインの評価を元に
そのドメーヌは訪問可能か、連絡先や直接購買の可不可など確認出来ます。
恐らくフランスでは他の専門誌に比べて圧倒的に幅広い層に支持されていると思います。
また、生産者同士でもがいくつ付いたか、coup de coeurを取ったか、など
かなり話題に上ります。

 

では、このテイスティングの内容について

R0013104.jpg

 各セクションに分かれてグループ毎に試飲し評価します。

 

 サンプルは、
赤、白、ロゼ(を産出している産地の場合)
産地(クリマ:更に細かい区域別)
セパージュ(単一品種の場合は品種毎に分ける)
など、各生産地域のワインの個性別に分けられ、グループ毎に分かれて試飲、評価を始めます。

前回、アルザスでリースリングチームに参加しましたが、
今回はロワールで参加させて頂きました。

チーム毎、と言っても、評価はあくまで個人別です。
記入内容は全てフランス語。
ワインの種類、ヴィンテージ、ワインの色と発泡性か否かを書き込んで
本題に入ります。

色調のバランス、
香り
味わいの印象
飲み頃
個人的な印象の意見等々
だいたい全国共通な内容ですね。
そしてポイントで0〜5段階に分けて★を付けます。

R0014829-1.jpg

一回のサンプルは、だいたい30本くらい
午前9時に始まり、お昼頃に終わります。
(お口直しのバゲットとお水も出されます。)

 

一通り個人のテイスティングが終了すると
今度は同じチームでマークが高かったアイテムをチェックし、絞り込みます。
たいてい、高評価を得るものは意見が一致するのですが
たまに大きく分かれる事もあります。

それは
新世代の生産者の評価と、ベテランの生産者の評価だったり
愛好家の評価と生産者の評価が違う事があったり
ソムリエと生産者の評価がずれたりする事など

これが、この本を面白くしている一つだと思います。

市場ではどういう味わいが好まれるのか
愛好家の評価を知るのは中々面白いと私は感じます。
彼らは時には辛辣に批判し、時には
ワインの土地柄の個性を再発見しそれを楽しもうとする人もいます。

R0013102.jpg

それらの様々な目線の意見がプロの評価と共に総合される訳ですから
玄人好みの味わいに偏る事も無く、また流行の味わいに走りがちになる事も無く
淡々とワイン自身の評価に繋がって行くようです。

 

さて、総合評価で1番から3番まで選ばれ、
その中でcoup de coeur(ときめくワイン)を選ぶのですが
全てに与えられる訳ではなく
★★★がついたワインに、さらに全員の意見で与えるか否かが決められます。
そうとう絞り込まれます。

この段階で第一弾が終わり
大方のメンバーは用紙を渡して帰ります。

 

R0013101.jpgR0013100.jpg

 

しかし
まだあるのです。

 

選考会から指定されたメンバーの一部が残って
さらにこの選ばれたトップを絞り込む本戦があるのです。
要は、coup de coeur に対する最終評価という感じです。

 

R0013099.jpg

全てが終了すると
やはり気になるのが評価されたワインの確認。

サンプルなので内容は明らかにされませんが
とりあえずマークして後日発表を待つ訳です。

 

そのヴィンテージの傾向や土地柄の個性
また、目を見張るような突き抜けた美しいワインとも出会えますし
その逆もあります。

ただひとつ
今回も、アルザス同様に感じた事ですが
安定した品質のワインが非常に多く
群を抜いて酷いワインがないと言う事。
それから古典的な表現で表される
ピピ・ド・シャ(猫のおしっこ!)的なニュアンスは今では太古のアロマ的存在で
1本それらしきニュアンスがあったワインに対して生産者自体が非常に珍しがっていました。
ソーヴィニォン・ブランの青いハーブ的な要素はいまではニューワールドの方がはっきり感じられますが
ロワールではもっと果実のニュアンスが強くなっています。

それからこういう評価目的ではどうしても劣化とみなされて
たいてい評価の対象外になるヴァンナチュールもありませんでした。

次回は
フランスで活躍するテイスターの試飲と
SO2無添加ワインのブラインド試飲について
気力があれば合わせてコンクールの試飲のお話も更新出来たらいいなあと思っています。

あまり期待せずに
気長におつきあい頂けると幸いです。

 


nice!(16) 
共通テーマ:地域

nice! 16

Les Vendangeres 2011dégustateur des vins ブログトップ

★★Warning★★
コチラのブログに掲載されている文章及び映像のweb公開は著作権を放棄したものではありません。
事前の許可なく無断複製、転載、転記、二次利用の一切を固くお断りします
Toute utilisation ou diffusion sans accord préalable des informations et
photos contenues dans ce blog est interdite.

copyright (c) 2006-2016  vendémiaire tous droits réservés.

L'abus d’alcool est dangereux pour la santé.
A consommer avec modération.

Click for Troyes, France Forecast



Locations of visitors to this page

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。