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[ひらめき]最終更新日:12/10/2011

Concours du Meillleur Sommelier 2010 [pays de la loire 地方]

唐突ですが、
ソムリエとは、すべての酒類に精通したプロフェッショナルのサービスマン(女性も含める)の事を意味します。

そう、ワインの事だけ勉強しているわけではなく、世界の酒類に関して彼らは常にアンテナを張って
文化、歴史、地形、気候、時事通信等々の知識をアップグレードしています。
(日本のソムリエもそのはずです。)

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 今年は二年に一度のフランス・ソムリエ・チャンピオンのコンクールが一月にロワールで行われ
新チャンピオンが誕生したばかりです。

時間が相当過ぎたのですが、備忘録代わりにアップしております。
時事情報の若干のズレがありますがご容赦下さい。

 幸運にも、ファイナルの様子が見られるとの事で急遽現地に向かいました。

午後2時から始まったファイナルは
前日に既に試験が始まっていて、セミファイナルに残った8名の若者がまず壇上に現れ
挨拶を済ませるや否や、ファイナリスト4名の名前が挙げられ、最終試験が始まります。

R0011751.jpg R0011753.jpg

今回のファイナリストに女性ソムリエ(パスカリーヌ)もいました。
彼女は前回のファイナリストでもあり、地元ロワール出身で注目の的でした。
現在NYでソムリエをしているので最終審査のサーヴィスで行われる英語でのゲストへの対応は群を抜いてばっちり。
ただし、ちょっとNY色バリバリなノリと英語にフランスの審査員はどう反応するのか見所だったかも。

 審査前半はみんな甲乙が付けられないハイレベルで、一歩も引けを取らない感じです
特に今年の審査でオードヴィ(いわゆる食後酒にあたる蒸留酒)のティスティングでは彼らのワイン以外の知識の本領が発揮されます。
今回はなんと、全種類がウィスキーで、その原産地まで答えるわけですが
日本のウィスキーと答えたソムリエも一人いました。
(ちなみに、日本のウィスキーのレベルの高さは世界のプロたちのお墨付きなのですよ)

サービス対応では、全て英語でのやり取り、そしてマグナムの抜栓、マリアージュの提案など
いわゆる私たちがレストランで受けるサービスと同じ流れです。
ここで緊張も手伝って作業が進むにつれ、英語で応対するのを忘れてフランス語に戻りがちなソムリエたちに
見ているこちらがハラハラする事もしばしばありました。

ここでも彼らのそれぞれの個性が炸裂。

一番最初に審査に望んだLa Verte Vallée で働くアルザシアンのロマンは、テキパキと機敏なサービスを発揮するものの、
アシスタントとのやり取りでフランス語に戻ったまま、英語をすっかり忘れてサービスを続けてしまったためこれが致命的でした。

特に人気が一番高かったパリのCrillonで働くアントワーヌ(現在別のレストランに移籍)は、語り草になりつつあるのですが
卒のない美しいサービスでかなり凄い知識があるのは良く分かりましたが、流暢な英語にすっかり調子付いて
ファンタスティックを続発させたやりすぎパフォーマンスで自滅。

最後に壇上に上がったヴェルサイユの名店rianon Palaceで働くバンジャマンが、
3時間にも及ぶ待ち時間の後とは思えない集中力とエレガントな正統派路線で完璧な落ち着き具合を披露し
見事、今年のチャンピオンに選ばれたのでした。
落ち着きっぷりがハンパなく、今時だと若干地味だなぁという気はしましたが
安定感と言う面で、心地よくエレガントにサービスを受けてみたいソムリエであることは間違いありません。

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受賞後のカクテルパーティで、早速ポーズを求められているバンジャマン。
喜びに浸るヒマはなく、次から次へとインタヴューやら撮影が続いていました。

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29歳
これからどんどん活躍して欲しい期待のチャンピオン誕生です。

 

その後は彼らを囲んで、ロワールワインの底力をまじまじと見せ付けられる受賞祝いの晩餐会があったのですが
これはまた別の機会にしましょう。

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 なぜならば
同時進行でこっちも更新したいからです。

 R0012075.jpg

 ロワールワインフェアでは若手ソムリエの登竜門に揚げられるコンクールの一つで
Concours du Meilleur Eleve Sommelier en Vin du Val de Loire
という長ったらしいけど要約すると「ロワールワイン若手ソムリエコンクール」が開催されます。

こちらの優勝者の殆どといってもいい位、数年後にはフランスのソムリエチャンピオンか、ファイナリストに残るというレベルの高いコンテストの一つです。
(前述のファイナリスト、デミ・ファイナリストたちもかなりこのコンテストの優勝者が多いです)

 こちらはロワール・ワインフェア開催中の月曜日に必ず行われます。

 言うまでもなく
ロワールワインに関する知識が徹底的に問われるわけですから、
かなりマニアックな問題も用意されているわけです。

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試験会場で準備開始です。

ロワールワイン委員会が仕切り、フランス・ソムリエ協会と共に進行します。
こちらは舞台裏中心に進めていきましょう。

集まった90人の若手ソムリエたちに説明がなされますが、なんと、この日はあのチャンピオンのバンジャマンも駆けつけ
皆に自分の経験と照らし合わせて、温かい応援の言葉をかけていました。
(明日のバンジャマンはこの中にいるのです)

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コンテストの最初は、試験問題を解くところからです。
この試験を配るムッシュたちは、言わすと知れたフランスソムリエ協会の重鎮達です。

 

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回収した解答用紙を採点中です。

 

ちなみに試験問題はこんな感じ

R0012270.jpg 

かなりマニアックなロワールワインの世界が問われています。

さて、先生方が採点を始めている頃、続いてティスティングが始まります

R0012288.jpg これも全部ロワールワインです。
ちなみにボトル撮影は禁止でしたが、何が出たか、全部見せて貰いましたが
レベルの高いワインが揃っていて、その太っ腹なバラエティに感激しました。

そしてこの後は午後の第二審査へと流れていきます。
私は午後の前半、別の仕事でこの場にいることが出来なかったのですが
かなり良いタイミングで復活。

 R0012281.jpg

舞台裏では打ち合わせが続きます。

そして

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一列目に陣取っているのは審査員。

何と
R0012348.jpg

早押しクイズ形式で行われています。

ここでは団体グループで競い合うという団体戦の審査中。
団体戦は各地方のソムリエの専門学校別で参戦です。
(注:フランスのソムリエ資格は国家試験制度ですので、日本のワインスクールとは色んな意味で趣旨が異なります。)

紅一点の女の子が大活躍でぐいぐいとチームを引っ張っていました。
個人でもファイナリストに残っていた彼女は未来のパスカリーヌかも知れません。

 そんなこんなで、また端折りますが

団体戦の勝者3チーム結果発表(地元ナンバー1、フランスナンバー1、外国ナンバー1(ベルギー)
に続いて、優勝者発表です

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 中央のマキシム・マルシエールくん

まだ少年の面影が残る彼ですが
数年後にはフランスチャンピオンのファイナリストとして再会できるかも知れません。

 

 

 ロワール地区代表ソムリエとフランスチャンピオンに挟まれて少し緊張気味。

 R0012430.jpg
なんだかバンジャマン、既にちょっと貫禄が出てきたでしょうか。

個人的な印象で恐縮ですが
バンジャマンは本当にスバラシイ人柄で、浮ついたところがない紳士という印象です。
日本酒の知識も豊富で、大変興味を持っている事が分かり
今度お祝いに蔵元さんから彼に日本酒が送られることになりました。

日本の伝統がこういう形で、若い世代のプロ達に注目されることは中々素敵なことですね。

実は、フランスソムリエ協会の重鎮達の中には、相当な日本酒ファンがいるんですよ
彼らの影響も大きいかも知れません。

日本のウィスキーと日本酒の注目度は日本では考えられないほど、プロ達の間で評価が高いのです。
日本のワインは、今後もっと本格的に注目されると感じます。
(今回のVinexpo Bordeauxで甲州ワイン、甲州葡萄のセミナーもフランス人の仕切りで行われる予定です)
海外の日本の放射能汚染の風評被害がこういうところから誤解の無い形で収まるようになるといいなと思っています。

 

長くなりすぎてスミマセン。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。

 


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