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最終更新日:12/10/2011
Les Boutilles de la Champagne [vins 葡萄酒あれこれ]
セラーのお仕事の話にいい加減戻りたいのですが、資料に追われてえらい事になっています。
(本日もブログの記事は備忘録・レポート引用してます、スミマセン。)
シャンパンのボトルについて歴史的人物背景を叩き込まれた事を思い出したのでこれを・・・。
それでは小さい方から順に説明しましょう。
Huitieme (9.4cl)・・・・約グラス1 杯分(強)の量。
Quart (18.75 or 20cl)・・・飛行機会社で大活躍のサイズ。
Demi Bouteille (37.5cl)・・いわゆるハーフサイズ 約3杯分。
Bouteille (75cl)・・・・・スタンダードと呼ばれるボトルサイズ 約5杯分。
Magnum (1.5L)・・・・・マグナム ボトル2本分 約10杯分。
Jéroboam (3L)・・・・・ジェロボアム ボトル4本分 約20杯分。
イスラエル王(BC931-910)の名前に由来。 F1でもお馴染みのサイズです。
Réoboam (4.5L)・・・・レオボアム ボトル6本分 約30杯分。
修道士から取られた名前。
Mathusalem (6L)・・・・マチュザレム ボトル8本分 約40杯分。
ノアの大洪水以前の総大司教。969歳まで生きたと伝説がある人(!!)
Salmanazar (9L)・・・・サルマナザール ボトル12本分 約60杯分。
アッシリアの王様、サルマナザール三世(BC868-858)からとった名前。
Balthazar (12L)・・・・バルタザール ボトル16本分 約80杯分。
バビロニアの最後の王様。(BC539 没)
イエスが誕生した時に会いに来た、東方三博士の一人と言われている。
Nabuchodonosor (15L)・・・ナビュコドノゾール ボトル20本分 約100杯分。
バビロニア王(BC605-562) エルサレムを破壊した王様で、シリア、パレスチナを支配した。バビロニア王朝の発展の父と呼ばれる。
以上、ざっとシャンパーニュ地方のボトルの名称になりますが
試験のために覚えた方も大勢いらっしゃると思います。
でも間もなくすっかり忘れられると思います。
多分、忘れてもいいと思います。
(日本にいる限り、マグナムとジェロボアムが言えればバンザイです。シャンパンに居ながら、全く覚えられなくても今の所ひどく困った事はありませんし・・。)
本来、これら全ての種類が店頭販売用に造られているわけではありません。
超大手企業はプロモーションやも兼ねて、パーティー使用のどこまでもビッグサイズなボトルをリリースしていますが、(後で述べますが用途は多彩なので)
通常、リリースされるサイズは
マグナム・ジェロボアム・マチュザレム
たいてい、この御三家が中心ではないかと思います。
実は大企業は別にストックが出来るのでこれに限りませんが、
中小企業~小規模生産者の場合、
スタンダード以下のサイズと、とてつもなく大きいサイズに関しては受注後に、販売用として用意され(そのボトル用の)ラベルを貼ったりしてきちんとリリースになると思います。
そう、注文を貰ったら彼らは他のサイズでも出荷用に用意できます・・。
では何故、ナビュコドノゾール級の発音も困難な上、一人では決して注げない(いや、持てませんから)16本分に匹敵するような大きな瓶が存在するのでしょう。
パーティーでの見せ場、力自慢の為だけだとは到底思えませんよね。
理由はちゃんとあります。
それはハリウッド級のパーティーや、王室御用達用・・・
ではなくて、 (それは注文によりますってば・・)ビンテージシャンパンを寝かせる為にあるのです。
或いはハーフサイズ等の小さなボトルのために。
通常、ボトルのサイズが大きくなるほど、穏やかにそしてより安定した長期熟成が可能になると言われます。
したがって、一気に大きなボトルで瓶内二次発酵で熟成させて、最終段階で各サイズのボトルに仕分けされるのです。
ワインのプロがハーフボトルを若干懸念する理由がお分かり戴けるでしょうか。
ハーフや4分の1サイズなどの容量の小さいボトルでは、スタンダードボトルより瓶内熟成がより早く進みます。
これはシャンパンに限らず、ワイン全体に言えます。
(シャンパンの場合、出荷後はだいたい2年以内に飲むように設定して造られているので他のワインよりは若干マシといえるかも知れませんが。)
ですから、これらのジャンボサイズのボトルは殆どがハーフサイズ用若しくはビンテージ用シャンパンに振り分ける為のストック瓶の役割を果たすのです。
(ちなみに、ハーフサイズのミレジメシャンパンや、プレステージモノは滅多にないと思いますが。)
パーティで存在感を見せ付けるような大活躍をする為に使用されるのは、恐らく後付の理由とも考えられます。
(まぁ、もしかしたら王室奉納用等のビッグボトルを造っていて、実際こっちの方がいい熟成をすることが判って、今に至ったのかも知れませんが、どちらが先であろうが、現在の理由はそういう事らしいです。)
つまりシャンパンの生産者にとっては、樽換算と同じって事なのですね。
ボトルで、ストック本数を換算できるシステムなのです。
だから彼らは全部迷わず言えるのですね。
(多分)
ちなみに
ミレジメのシャンパンの場合、ティラージュをした後、王冠キャップに蝋が当てられます。
そしてヴィンテージ記載、そのシャンパンの詳細、ティラージュの日、ボトルのサイズ、数量等を細かく書き記されたINAOの専門用紙が付けられます。
(いわゆる出生証明書、みたいなものです。)
残念ながらその詳細は写真ではお見せ出来ませんが、上記の写真の状態で七夕のようにINAOのお墨付き書をヒラヒラぶら下げて、彼らは瓶内二次発酵(このときにシャンパンの泡が出来ます)~熟成(Vieillissement sur lie)されていきます。
それが門出のリキュールを行う時に、INAO立会いの下、蝋つき王冠キャップを外されてから各サイズのボトルに移されるわけです。
もちろん、この時点で何本のシャンパンが生産されるかもしっかり逆算されるのでインチキは許されません。
と、まあこんな感じでシャンパーニュのワインは細かい約束事の中
一つ一つの段階を経て、皆様のお手元にやって来るわけです。
まだまだお話はつきませんが、
今日はこの辺で。
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一番大きいナビュコドノゾールは、オペラ「ナブッコ」の王様ですね!
3の倍数でふえていくから、量をはかるのに使うんですね。
大きいのは振り分け用のストック瓶、なるほど。
勉強になりました。
by TaekoLovesParis (2006-11-03 11:31)
理由がわかれば存在もわかる訳ですね。
資格試験てこんなことまで覚えるのね・・・
しっかり記憶して、今コメント書いていて、
もう一度言おうと思ったけど、4つしか出てこない・・・
年取ったらなかなか覚えられんわ(笑)
by delphy (2006-11-03 19:15)
Taeko sama
さすが!taekoさん、オペラの話しが出るなんて・・。
しかしこういう瓶にも、歴史の人物の名前を付けるところがワイン文化を感じさせますね。
by julliez (2006-11-03 22:54)
delphy sama
私はまだわかりません^^;
多分こんなの暗記するより、日本のソムリエはお客様の顔と名前を覚える方が大事だと思いますが。
シャンパーニュで働く人は、これは仕事で必要だから覚えなければいけませんけど。
数字で覚えにくいから人の名前と瓶の大きさで覚えたのかもしれませんね・・(ってそれは私です。)
by julliez (2006-11-03 23:00)
おぉ!なるほどぉ!!!
いろんなことが腑に落ちました!
ありがとうございます♪
ちなみに、日本のソムリエさんたちは”酒癖の悪いヤツにワインを売ってはいけない”というハムラビ法典がお好きなようです(笑)
by noriko (2006-11-03 23:11)
てんとうむしさま
目には目を・・・をを、こわいですねぇ。
こちらこそ備忘録のヒントを戴いてありがとうございました♪
by julliez (2006-11-04 01:57)
わぁ~ジェロボアムまではなんとかお目にかかったことありますが・・・
そんなに大きなボトルまであるなんて!ビックリ(><)
逆にグラス約1杯分のボトルがあるというのもビックリ!
色々な瓶のサイズの熟成の違い。。。飲み比べてみたいなぁ(笑)
by シェリー (2006-11-06 23:06)
シェリーさま
はい、ナビュッコクラスになると、小柄な女性が屈むと同じ背丈になりますのでかくれんぼも可能です。
ちびボトルは、かつてピパとか大手がベビーシャンパンとかいう名前をつけて、ボトルにそのままストローをつっ込んで気軽に飲むスタイルを流行らせようとしたサイズですよ。
お膝元でそんなオロナミンC的飲み方をする人にはまだ出会った事がありませんが。
by julliez (2006-11-07 00:46)