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最終更新日:12/10/2011
fermentation alcoolique [cave セラー]
さて、発酵が始まった葡萄ジュースはその後どうなったでしょう。
果汁の移し換えが始まっています。
色合いを抽出した時点で別のタンクに移し換えての発酵をさせますので、ここで果帽と果汁を分ける作業に入ります。
(大切な事は、色合い、です。赤ワイン造りと決定的に違うのはこのタイミングの早さです。故にタンニンは軽くなる傾向にあります。)
では、お兄さんの尻尾のように伸びている、このホースの行方を追ってみましょう。
梯子を伝って伸びています。
どうやらプレス機のある方へと向かっているようです。
(ちなみにプレス機はこのタンクの奥です)
こんな感じ。
ホースはここでお仕事をしていました。
醸しを行っていたタンクからプレス機に果帽ごとジュースを移し、そこで果帽とジュースが分けられ、更に発酵用タンクに移し変えるのです。
(これも赤ワイン造りの工程と同じです)
プレス機の下から見た様子
こうしてタンクに「赤ワイン=ロゼ色の素」を移し、後発酵をさせるのです。
発酵が始まると、セラーの中はポコポコという音で大合唱です。
セラーチーフも大忙しです。
ここでは、彼が全てのキュヴェの状況を管理しています。
赤ワイン果汁は後発酵させると書きましたが、ここから色んな方向へ進みます。
そして次の工程は醸造家の選択肢になるのですが、こんなのがあります。
Fermentation malo-lactique (マロ・ラクティック発酵)MLF =減酸
と云う早い話が、酸味をまろやかにする働きで、酸の強い北の生産地(ブルゴーニュやロワール)で行われる発酵工程の1つ。
Fermentation en fût 樽発酵
通常(シャンパーニュでは)そのままタンクの中で引き続き発酵が行われますが、
ワイン造りの工程同様に樽発酵を行うところもあります。
例えば、一匹狼は樽発酵を行うのでこの後、別のセラーの樽の中へ赤ワインを移し変えます。
(まさにブルゴーニュ仕込みの赤ワイン醸造手法)
(ちなみにソネブロでお馴染みの、ルネ・ジョリは去年から一部のキュヴェで地元のオークを使っての新樽仕込を始めたばかりです。確か10 樽無かったと思います。)
また、健全な状態のシャルドネ果汁にMLF を行うとバターっぽい風味が生まれるので(白ワインに使われる手段)敢えて樽発酵の必要が無いと言う醸造家もいます。
コクがありすぎるとシャンパンは野暮ったくなるので、樽の使い方は生産者の技術が問われる技といってもいいでしょう。
MLF と樽発酵はその後のシャンパンの味わいの違いに影響を与えるので、彼らの哲学によって、「する」・「しない」が選択される訳です。
どちらがいいか?
それは生産地、気候条件、葡萄の状態によって醸造家はあらゆる選択肢を持つでしょうから、答えはありません。
後は、飲み手の好みにかかっていると思います。
哲学がどうであれ、売れないシャンパンを造っていても、結果的には潰れてしまいます。
もしかすると、飲み手が造り手を育てる・・(腕を上げさせる)という言い方すら出来るかも知れません。
その逆も然りですが。
彼らの多くは日本の市場に感謝しています。
追求したシャンパンの味を、ともすればフランス以上に認めて受け入れてくれるからです。
小規模生産者の彼らの多くは、これでシャンパン造りに専念する道を見出せたからです。
ピノムニエしか持っていない生産者がこれほど脚光を浴びるとは、数年前、誰が考えたでしょう。
小さな問題は色々ありますが、先ず、飲み手の選択肢も増えたという事は何よりも素晴らしい事だと思います。
教本等には、スタンダードな(ある意味古い)工程が一般的に書き記されているだけですが、現場は常に進化しています。
自身のシャンパンのスタイル(若しくは哲学)を表現する為には教本通りや学校で習ったとおりのやり方では限界があるでしょうし、それでは画一的なワインばかりになりそうです。
しかし、多分もしそうであっても同じ味にならないのがワインの面白いところでもあります。
彼らは時にはもっとクラシックな昔ながらの手法や、現代の技術を駆使した新たな手法など、試行錯誤をしながら情報交換を繰り返し進化し続けています。
本から得る知識は貴重です。
しかしそれは全てではないのです。
私が生産者から得る知識も、それが全てだとは思えません。
どこに行ってもそうですが、彼らはそれぞれ自分のやり方がベストだと信じています。(当り前ですが)
信じていなければ、地味で重労働なワイン造りは出来ないと思います。
キケンなのは、「それだけ」が唯一でベストだと判断を下してしまう受け手のほうのアンテナとフィルターの問題です。
確かに彼らは熱いです。
特に憧れの生産者があなたの目の前で彼の哲学を語ったら・・・・
それはあなたにとって魔法の呪文にならないと断言できるでしょうか。
モノを作るという事は、非常に奥が深い作業です。
カンタンにする事も、複雑にする事も、今は選択できる時代です。
目指す頂点は同じであっても道のりは様々。
ワイン造りを通して見えた事の一つ目、
これが絶対!という「絶対」などない・・・
当り前だろ、そんな事。って言われそうですが、この地で身を以って経験出来た事に感謝しています。
これ、他にも当てはまる事は多そうですね・・・。
さて、そろそろセラーから出てみましょうか。
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RMは生産者が見えるシャンパン、日本はお得意さんなんですか。
特にcdmクラスの私たちは生産過程をつぶさに写真いりで見せてもらって、、、愛着がわきますよね。
発酵はfermentation,,閉じ込めるから? 発酵のときは大合唱なんですか。
なるほどね~。
by TaekoLovesParis (2006-10-22 11:57)
taeko sama
シャンパンの日本輸出は右肩上がりだそうで、やはり上顧客なお国だそうです^^。
Fermentation は多分、酵母 Ferment から来ているみたいですよ。
で、「発酵」以外には興奮するって意味もあるんですね。
私も最初、蓋をして温度を上げて発酵させるからかな・・?とか思いました。
^^;
by julliez (2006-10-22 14:10)
はじめまして。
理論だけでもだめ。経験だけでもだめ。
これが絶対!という「絶対」などない・・・
何事においてもそれが真実のようですね。
by noriko (2006-10-22 16:37)
てんとうむしさま
はじめまして。
そうですね、知識も常識も、時代によって受け入れられ方も様々な気がします。
ある意味、ユーモアが無いとやっていけません。^^
by julliez (2006-10-23 00:05)
厳しい世界ですね。 見えないゴールに向って日々努力して新し物を造りあげていく。
こうして見ていると、殆んどは人間の感覚が握っているのですね。
ほんとに、大変な仕事ですね。 勉強になりました。
by (2006-10-23 12:47)
シンナツさま
ありがとうございます。
ワインやシャンパンを飲まれる風景は、ちょっとおシャレであったり、豪華な場面だったりすることが他のお酒に比べて比較的多い様に思いますが、他のお酒同様に、世に出回るまでのプロセスはとっても地味です。
年配の造り手のおじさんたちの中には、多分一生パリにすら行く事もないまま一生ワイン造りをして人生を終える人も少なくないと思います。
ま、その分、若い者には早くから修行に海外に出す時代に変わってきたようです^^。
(確かにボルドーのシャトーのぼっちゃんやシャンパンメゾンの御曹司は最初から人生が違う格付けに生きているので、これに当てはまりませんが、そこがフランスっぽいのかな・・・?・・・)
by julliez (2006-10-24 00:10)
こんにちは。今回もとっても読み応えある記事でした☆シャンパーニュ生産者の方たちが日本の市場に感謝の気持ちを感じてくださっているなんて(涙)感動してしまいました。「飲み手が造り手を育てる・・(腕を上げさせる)」というのも新鮮でした。その逆(素敵なシャンパンとの出会いでますますシャンパンが好きになる)はいつも私も経験してますから。深い知識とかがなくても愛情を感じることでシャンパンをもっともっと愉しめるようになる。って毎回教えていただいてる気がします!
by シェリー (2006-10-24 16:38)
本店さま同様にjulliezさんも読ませますね。
読み手を引き込むのがお上手です。
割と最近、ムニエ90%ってRMものを飲んでみました。値段もお手頃で、味も悪くないと僕は思いましたが、なんでフランス人はムニエをあまり好まないのでしょうね。シャルドネの高貴なイメージからすると、対して庶民的で野暮ったいものなのかな?。
僕も含めて、日本人には高級シャンパンに見合うようなクラス意識が薄く、シャンパン自体への知識も殆ど無いから、逆にニュートラルに楽しめているのかもな~、と思ったりします。
by yk2 (2006-10-24 22:48)
シェリーさま
ありがとうございます。
知識が深くなくても、何が美味しいか、こちらの人はちゃんと知ってますから、私はその方がいいなぁと感じます。^^
所詮彼らのワイン文化と歴史の前では拭けば飛ぶような覚書でした・・私の場合^^;
by julliez (2006-10-25 00:35)
yk2 さま
恐縮です。
既に挫けそうですが・・・。
ムニエと云う品種は、まぁ色々言われているのですが、性格をよく分かった上で醸造するといい結果になるみたいですね。
でも、地元フランス人は案外保守的なので日本人ほどニュートラルな気持ちでワインに向き合うのは難しいのかも・・。
だから最近日本で人気のある生産者の一部は現地ではサッパリ・・というイメージ上だけの問題も多々あるようです。
ワイン文化は深いけれど、それが足かせになる事もあるんですね。
あ、これネタで頂こうっと。^^v
by julliez (2006-10-25 00:43)