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[ひらめき]最終更新日:12/10/2011

Liqueur d'Expédition [cave セラー]

では続けて、門出のリキュール 
コーポラティヴとネゴシアン編です。

工程作業は全く同じ。

違うのは、そこに人の介入がどの程度、あるか。

判りやすく行きましょう。

このお兄さんは、ジロパレット ←約504本入る
(機械で瓶の角度を調整しながら澱を口元に集めてくれる機械で、
ピュピトル←澱下げ台  の近代化版)からパレットを移し、
この機械の前で瓶を取り出し-20℃の冷水に瓶の口を漬けて凍らています。

瓶の大きさに合わせた型に逆さまの状態で差し込みます。

             ↓

ボケボケでスミマセンが、口の周りに澱が凍ってくっ付いているの判りますか?

 



その後、瓶は立てられたまま、澱飛ばしの作業台に運ばれます。
赤い籠は抜栓された王冠キャップ入れです。

少し斜めに傾けられて瓶は機械により抜栓・デゴルジュマンされます。
澱を飛ばした後、瓶は素早く水平に戻され次の工程へと流れていきます。
(溢れる泡の量は平均値があるみたいですのでそこから逆算してリキュールを一定量加える感じです。)

             ↓

ドザージュ=リキュール添加ですね。
一定量でキッチリ。
流れも一定です。

           ↓

ここから全体を見渡せる環境で、淡々と仕事が進みます。

                ↓

ブシャージュ(コルク打ちこみ)です。
こちらはミュズレ(キャップ)を打ち込んでいる様子。
力仕事もヘッチャラです。


                  ↓

そして洗浄が行われ、出てくるボトルの最終チェック作業は機械と人間が共同で行います。

このおじさんはパレットに瓶を入れ直す作業をしながら異物・キズのチェックを行っています。

結構この作業、力も要るし、注意力もまぁまぁ要ります。
うっかりすると一番追われるポイントにもなるので注意が必要。
(かつてエライ目に合いました。このセクションはもう嫌だー。)

 

ところで、これらの工程はジョリさんところに比べるとやはり機械化が進んでいて規模も大きいですね。
全体的な広さは、メゾンによっても色々ですが、ここはパーツごとに部屋を進んでいく感じなので、相当広い部類だったと思います。

 

で、同じ機械化でもこんな所もあります。


 

 

この位置が工程スタートライン。
(-20℃の水溶液の差込口が左下に見えます)
全ての工程が10メートル以内で行われているであろう機械化メゾン。


何と、ここで行われる全ての工程は、機械とこのおじさんの二人三脚のみ。

このお仕事も別のメゾンで手伝った事がありますが
はっきり言って、一人でこなすのなんて全く凄すぎです。
例えこのクラスでも、通常3人以上で行います。
スピードが写真からは伝わらないでしょうが、思ったよりも早いでんす。

でもこのおじさんは独特の自分のペースがあるので、一人でする方が更に早いそうです。

 

パレットから瓶を(50本以上は余裕で差し込める)水溶液につけますが、ある程度差し込めばおじさんは最後の工程の瓶チェックとパレット移し変えに向かいます。

 

 

 そしてこのムッシュも非常に優雅な物腰で慌てることなく凄然と作業を行っています。
ここは生産量もそう多くないので規模は先ほどよりコンパクトですが、
経験していても、私が行えば、間違いなくモダンタイムス状態になるはずです。


このムッシュはやはり職人で
午前中はセラーの中で特別キュヴェのルミアージュ(ビンをクルクル回して澱を瓶の口に集める作業)をこれまた一人で黙々と行い、午後からは出荷作業やこういった工程を淡々と行っている仕事人。
多分、手作業でデゴルジュマンでも何でも出来るはず。

そんなムッシュは気ムヅカシイどころか
物凄く温厚で微笑を絶やさず、セラーですれ違う時、皆を気にかけます。

後で聞いたら、やはり重鎮でした。(当然ですね)
 

 

 さて、今回はコーポラティヴとネゴシアンの機械で行う門出の作業をレポートしているんですが、(ブレブレ写真でスミマセン)
機械を使っていても規模に違いがあるのがお判り頂けると思います。

最大手の有名メゾンだとそれと直ぐ判るので
エペルネの知り合いのCM, NM で撮った写真にしました。

最初の写真がコーポラティヴ・マニュピュラン(生産者協同組合CM)で
コンパクトな方が、ネゴシアン(NM)です。
(限りなくハンドメイドなネゴシアンでお馴染みマダム・スザンヌのボジェ・ジョエット社のご協力です。)

 

モチロン、全てのネゴシアンがこんなに小さい訳がありません。
しかし、メディアに代表して出てくるネゴシアンのような大規模メゾンばかりがネゴシアンではありません。

時にはネゴシアンもビックリな協同組合もありますし、彼らの協同組合の中でも葡萄ランキングがあり、切磋琢磨は激しいものがあります。
ハズレがない掘り出し物が意外に揃っているのも確かです。

日本ではCM(コーポラティヴ)は過小評価され過ぎです。
下手なRM(酷い物はとことん酷い)よりもずっと美味しくて安くて面白いと思いますし、それどころか、生産量と品質のバランスの良さにかけては、十分大手のネゴシアンの脅威とされる存在なのです。




機械化について、昨日も触れましたが
クラシックなスタイルの造り手の写真なんかを見ると
近代化された設備のメゾンより味があるように見えがちですが

 

大切なのは味わいです。

 

ワインの出来・不出来の90%は畑仕事で決まると多くの生産者は口を揃えて言います。

誤解の無いように言いたいんですが

美味しいワインを造りたいと願う生産者にとっては、葡萄の出来が全ての結果に繋がるといいます。
そして忘れてはならない当たり前の事ですが
とにかく清潔な醸造施設であること。

これがシャンパン(ワイン)の味わいを決める要素といってもいいと思います。



門出を彩る作業を行う機械は、彼ら生産者の働きを助ける一つの手段です。

機械を導入したお陰で、小規模生産者達は前より長く畑仕事に精を出せます。

それに時々博物館みたいな何百年も前に使われていたようなバスケット型のプレス機や熟成樽のセラーの様子を写真で見ますが、
あまり古すぎるものは、今では観光用にオブジェとして飾っていて
メディアが喜ぶので撮影用に別室を置いている生産者もいます。
(使われていないバスケットや樽は見れば判ります)

雑誌で生産者のセラーの写真を見て、ノスタルジックに感動していたら実際は殆どが近代化されているセラーだった・・・なんて事もありますからご注意下さいね。


かといって機械だけでシャンパンは決して造る事は出来ませんので・・。

 

 

 

では皆様
来週まで留守にします。
コメントもお返事できないままゴメンナサイ。

いつも感謝しております。

 

 

 


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コメント 11

toraneko-tora

単にビンに詰めるだけでも・・・・大変なんだ

昨日は野暮用で失礼しました その分今日まとめてです
by toraneko-tora (2006-11-16 09:06) 

Wino

職人技の詰まったシャンパーニュ!
やっぱりすごいものだったんですね。
感服いたしました。
by Wino (2006-11-16 13:16) 

pierre Perignon

シャンパーニュ、CMこそが狙い目だ!

みたいな特集がそろそろされるんかな?
覚える消費者も大変なことですわ。
作った流行りは廃るし
カテゴリーを気にしすぎると返って選択肢を狭めるしなぁ。

能書きと値段を割り引くセールって出来んもんかなぁ
by pierre Perignon (2006-11-16 14:26) 

シェリー

前回の記事に引き続き・・・なんだか見てるだけでワクワクしてきます。
機械のこと、CMのことなども色々とても勉強になりました。
恥ずかしながら私はまだまだ宣伝などに踊らされて本質を全然解ってないとこも多いですが・・・
これからも大切にシャンパンを楽しんでいきたいとおもいます。
by シェリー (2006-11-16 15:14) 

noriko

スクールでの次回の講義はシャンパーニュ。

気持ちが盛り上がってきます。

サーベルを使わせていただけるそうで・・・・いまからドキドキです。
by noriko (2006-11-16 22:20) 

yoocomint

葡萄のできによって良くもなり悪くもなるんですねー
日本では、ボジョレーの話題が出てました
私はあまりワインには詳しくないのですが、飲むのは好きです
ボジョレーってどうなんでしょう?
by yoocomint (2006-11-17 10:51) 

ワインの出来・不出来の90%は畑仕事で決まるのですか。
やっぱり、素材がよくないと、いいものはできませんね。
勉強になりました^^
機械と二人三脚のおじさん、凄すぎ!
by (2006-11-17 12:41) 

delphy

機械化=無機質な製品
ではないということですね。

お米に例えたら、脱穀、籾摺り、精米を人力でやってたら、
どれほど人手と時間がかかるかわかりませんよね。
それでもお米の品質は、やはり田んぼで決る。

農作物はそうですね。
by delphy (2006-11-17 18:17) 

foretーbourgogne

初めて拝見しました。
こちらはネットカフェで1時間ほどの間に作業を終わらせるという忙しさで、ゆっくり見られないのが残念ですがフランス人のプロ意識を、思わず感じさせられました。
by foretーbourgogne (2006-11-17 23:13) 

いっぷく

初めて知る事柄ばかりで興味深かったです。
想像以上に機械化がすすんでいました。
伝統の技と共存ですね。
by いっぷく (2006-11-22 04:37) 

TaekoLovesParis

工場はやはり清潔がモットーなんですね。
julliezさんは、いろんな工程のお手伝いを経験なさったんですね。
だからこそ説明がいきいきしています。パレットへの瓶入れなおし、チェック
作業、、、<このセクションはもうイヤだ>、で目で見るより大変な作業って
わかります。
by TaekoLovesParis (2006-11-23 14:35) 

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