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最終更新日:12/10/2011
Les Grands Jours de Bourgogne [travail 仕事いろいろ]
春を待つ間にしばし備忘録にお付き合いください。
先月、ブルゴーニュで行われた2年に1度行われるブルゴーニュワインの見本市のようなイベントです。
この見本市は、所謂毎年行われている Vinexpo のような業界関係者向けのワイン見本市のブルゴーニュ版・・とでもいった感じでしょうか。
基本的にブルゴーニュ(コートドール県とヨンヌ県)のワインが勢揃いです。
(くどいようですが、ボージョレ地区はブルゴーニュワイン産地ではありませんのでここには登場しません。)
銘醸ワイン好きにはたまらない黄金丘の王様の葡萄酒が(多分)一挙放出週間といえましょう。
約1週間、朝から晩まで各会場を移動しつつ、怒涛の試飲まつりです。
祭・・・と(自分達のモチベーションを上げるために)書いていますが、通常のワインを楽しむ・・・という趣旨は色薄く、
ひたすら区画ごとの生産者のワインとビンテージの傾向を、ほぼ食事抜きで朝から晩までひたすら試飲し続ける・・
ちょっとした修行に近い空気もあったりして
それ位、楽しくてツライ1週間と呼ばれています。
しかしこの間に、各地で違う趣の業界関係者向けの様々なアプローチを含めた試飲会があちこちで催されるので
ウコンの力を借りまくっての大移動試飲会に走り回ります。
そして何より集まってくるのは世界中のバイヤー達やプレス関係者ですから、面白い情報交換も出来たりします。
モチロン、生産者もいますしね。
今年は3月10日から15日まで行われました。
スケジュールは以下の通り。
- 3月10日 Chablis + Auxerrois
- 3月11日 Côte de Nuits
- 3月12日 Mâconnais
- 3月13日 Côte Chalonnaise
- 3月14日 Côte de Beaune
- 3月15日 Côte de Nuits + Côte de Beaune
ざっと一通りのブルゴーニュワインが生産者と話をしつつ試飲できるというわけ。
東西の多くの有名なバイヤー達やジャーナリスト達、そしてカヴィストが世界中から集まっていました。
この時期のブルゴーニュはとにかく天候が不安定で寒い。
初日のシャブリなんて大雨の中、気温が1桁の状態での試飲はかなり体力的にキツクて、
”フレッシュでキレのある酸味”は更に堪えるね・・と参加者は苦笑しつつも初日のノリでなんとかテンションを保つ感じでした。
シャブリの生産者にとっても気の毒なお話でした。
何ていっても赤のメインと言っても良いのが翌日のニュイ地区で、まだこの頃は皆体力的にも気力的にもノリノリでしたから
それなりに会場の盛り上がりも活気が激しくあった様な気がします。
マルサネの会場からスタートしつつも
朝の冷え込みは更に厳しく、なんとまたしても雨。
会場が数箇所(確か4~5箇所)に分かれているため移動がスムーズでない場合はこの天候はかなり厳しい模様。
(車での来場もかなり目立っていましたが・・・。)
それにしても、ブルゴーニュの中でも屈指の特級ワイン群が連なるコート・ド・ニュイの各会場の熱気のムンムンとした様は一種独特です。
毎回感じるのは、欧州のマダムたち、試飲しに来ているんだけど香水がキツイのなんの・・・。
香水の香りと化粧の厚さは比例しています(笑)。
今年は韓国勢よりもやはり中国、台湾、シンガポールなどのアジア勢も目だっていました。
中には、接客中のムッシュ・シャルロパンと半ば無理やりな形で記念撮影をしてもらった中国人がムッシュに
「アリガトウ。」
と思い切り笑顔で言われていたのが印象的でした。
(彼等はフランス語で否定していましたが、あの忙しさでは多分聞いてもらっていない事でしょう。)
とにかく、人混みは凄まじいものがあります。
モチロンこの日の最高潮にアツかった会場はヴォーヌロマネ(ヴジョ)。
そりゃそうですよね、
泣く子も笑う、銘醸ワインのオンパレードですから。
多分会場の中は25度位になっていたのではないでしょうか。
一歩外を出ると3度位でしかも雨風がキツイので体感温度はもっと低かったでしょう。
一応お昼のランチは各会場であることはあるのですが、
時間と会場の間隔と出展ワイン等を考慮すると、あまり悠長にしていられません。
(これは日本人だけではなくて、各国プレスもそうで、彼等も同じように駆け足でどんどん進めていかねば最後まで辿り着けません。)
例えば、普通のワインの祭典のような感じであれば気持ちには余裕ができるものですが
ある意味ボルドーのプリムールな感じも無きにしも非ず(?)なので、やはり参加者の趣旨は確固たる目的意識があるため
ユルイと言っても、緊張感を持っていることは確かです。
(でも後半、それが総崩れしちゃった日本人が担がれて運ばれているのを目撃・・・
一躍参加者の間で愉快なネタになりました。)
平均して一つの会場で40人位の生産者がワインを出していますので
1生産者のワイン3~4種づつ試飲しても、大概ですねぇ。
はっきり言って銘醸ワインの代表選手たちが揃っているので
「あ~だめ、吐器に吐くなんて勿体無い・・・。」
等と愛好家のようなことを言っていたらほぼ倒れます
喉越しも大切ですが、生産者からは一通りの試飲が終わってから、最後に飲まれる事をおススメされます(笑)
真面目に試飲して欲しいからだと思います。
(順番的に最後に試飲される友人のワインがちゃんと評価されるように、彼等も気配りをするわけです。)
とは言いつつ
体力を消耗する試飲が一日続くとぐったりしてきます。
(きちっと吐器にワインを吐いても、粘膜からアルコールは吸収されますので・・。)
お腹がいっぱいになると正確な判断が鈍ると仰る方もいるので、軽くつまめるように各会場も工夫します。
例えばマルサネの会場ではこんな風に
こちらはドライ・アプリコットとコンテチーズの串モノ風
目にも鮮やかで華がありますね。
賛否が分かれたのはコチラ
スシ、しかも海苔巻き(カッパまきもどき)
オートミールのようなおかゆ的なお米に胡瓜が・・・。
日本人はカンカンになってこんなのスシじゃない!と怒っていました。
何度かフランス人や海外の関係者達に感想をしつこく聞かれたので、一口食べました。
これは・・・。
でもフランス人のイメージする巻き寿司はきっとこんな感じなのね・・・。
(もしかすると日本の典型的な酢飯の海苔巻きは、逆に和食を知らない欧州人のお口に合わないかも知れないですしね。)
こちらはヤキトリをイメージしてフェタチーズを間に挟んだもの。
冷たかったですが、ピンチョスみたいで面白かったです。
味付けもいたってシンプルでココがワインの試飲会場である事を踏まえています。
コチラは甘味系。
フランス人は甘い方へ甘い方へと行きます。
後で聞いたのですが
こちらの会場の華やかさも素敵だったのですが、ヴージョで行われたヴォーヌロマネの会場のバゲットの鳥肌モノの美味しさは大絶賛だったようです。
(それ以外もモチロン、お昼時の豪勢さはダントツだったとか。)
しかし最も人だかりが凄い会場だったので入場すら一苦労だと聞き、我々はお昼を回ってからの参戦の為
テーブルはもはやパンの欠片すら見る事もありませんでした。
(って、食べ歩きに行ったわけではありませんから、いやしい事はいえませんが、見たかった気がします。)
ヴージョの会場は息が出来ない位暑苦しくて混雑を極めていました。
集中力を取り戻す為にも時々外に出てはリフレッシュされている方が多かったですね。
しかもまだこの先に最後のニュイサンジョルジュの会場が待っています。
朝9時から夕方5時までひたすら移動と試飲を繰り返し・・・。
そして雨は止むことなく、日は暮れて行くのでした。
天気はソコソコ回復したものの、これが普通に6日間あった訳です。
幸か不幸か私は全ての日程には参戦せず、間に別の試飲会を挟んだり、また別のイベントに招待されていた為
気分転換が出来ましたが、皆さん毎度慣れているとは言え、少々食傷気味の表情でした。
ボーヌまで体力を保ちつつ、最後まで気力は振り絞らねばなりません。
贅沢言うな!
と、お叱りを受けそうですが、
プロの試飲って、ただ味見するだけではないので、想像以上に実は大変ではないかと思います。
初戦を飾るバイヤーの卵たちはココでキツイ洗礼を受けてその後たくましくなっていくのです。
寒さと空腹と怒涛の試飲、
その後は夜のクリーミーな郷土料理の連日・・・。
いくらそれが銘醸ワインを含めた試飲とて(建前上)決してお気楽な宴会ではありませんから、
そりゃダウンしちゃう人だっています。
時には強者もいらっしゃいますが、
皆それを乗り越えてきたって訳です。
(意外にナイショにされていますけどね。)
今回は周りを観察しすぎてお気楽な試飲をしたような気がする私ですので具体的なワインの感想はとても書けませんが、
真面目に取り組んでいた方ばかりでしたのて
恐らく、各方面のメディアを通して、それは何らかの形で皆さんの耳に届く事と思います。
次回は葡萄の木の話に戻りましょう
では!
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さすがフランス、センスの良いポスターですね。
by Krause (2008-04-11 03:57)
海苔は普通の海苔だったのでしょうか・・・?
by めぎ (2008-04-11 07:10)
海苔巻き(カッパまきもどき)、凄い! 見た目にも寿司じゃないですね。
三角のもあって、おにぎりと混ざってる感じ^^
でも、どんな味かちょっと食べてみたい^^;
by 真夏 (2008-04-11 08:31)
串に刺したチーズの飾り方がオシャレですね^^
お粥のようなご飯の入った海苔巻き食べてみたいような・・・
by miffy (2008-04-11 11:26)
少しずつでも、かなりの量になっていって、
7時間の移動&試飲は、重労働に値しますね。
うらやましいような、想像するとツライような・・・。
中から染みこんで、体からワインの匂いがしそう♪
by Inatimy (2008-04-11 15:15)
串に刺したチーズがおしゃれでおいしそうですね♪
by hikarian (2008-04-11 16:32)
個人的にはボーヌでのサントーバン祭の話が気になるんですけど・・(爆)
白ワインも感動が多かったね。
毎日、試飲が終わってからの宴会の方がある意味、修行とか試練とか・・・・・^^;
by mesid (2008-04-11 19:29)
本職の凄味が伝わってきます!!
>”フレッシュでキレのある酸味”は更に堪えるね・
あ、でも、↑この部分ならば私でもわかります。
そしてチーズを刺している串にサーベルのような鋭さを感じるのは欧州ならでは、なのでしょうね。
by てんとうむし (2008-04-11 22:07)
★皆様、マニアックな日報ネタにお付き合いいただきありがとうございます。
この頃は今よりも寒く、本当にボタン鍋でもつついて食べたくなる気分でありましたが
特に見返すと、あの巻き寿司のインパクトが忘れかけていましたが鮮明に蘇りました。
この会場の料理を担当されたシェフはかつて日本で腕を振るった事もある方で、現地のレストランでも和の素材を取り入れた楽しいメニューを提案されています。
日本人は本気で怒っていましたが、よく考えるとあのオートミールな巻き寿司、
よくもあのおかゆ状態のお米を海苔巻きにして最後まで崩さずに出せたものだと感心します。
実際、手でつまんで私も食べましたが、口に入れたときのおかゆの衝撃が強すぎてその辺りの事を見落とす所でございました。
by julliez (2008-04-12 06:15)
一会場で100overですか・・・
60種で限界感じるcrowからみると、苦行の領域 ><
こうした辛苦の後に美味しいワインが手元に届くんですね。
多謝m( _ _ )m
by crow (2008-04-12 11:24)
うーん おしんこ巻きかと思ってしまいましたがかっぱ巻きなのですね
でもオートミールな巻きほうがあうってワインもあったりして……
しかしワインの世界。こんなことが毎年行われているなんて。すごい。言葉がありません
オーストラリアでもこんなことしてるのかな~?
by mompeli (2008-04-12 19:53)
怒涛のような試飲会。写真を見ても人が大勢いますものね。悪天候と重なると余計大変ですね。
これを読んでいると、仕事じゃなくて気楽に飲める幸せを感じます。
チーズ系のおつまみはおいしそうですね。私も参考にして作ってみよう。
by TaekoLovesParis (2008-04-12 23:40)
生産者の方とお話をしながら試飲ができるなんていいですね(^^)
それにしても、、、そのかっぱ巻き、、、?
たしかに、日本で言う"寿司"というものとはちょっと違うようですが、
そのお味、キニナルな~・・・食べてみたい(^^)v
by たろう (2008-04-14 05:45)
うわ~すごいですね・・
これは体力勝負ですね・・
それでもお味がわかるんでしょうね~プロはすごい。
by rino (2008-04-14 10:50)
ワインの香りだけでむせかえりそうですね。
試飲していくうちに、香水を作る人達や、音響機器を作る人達みたいに、
かすかな違いも覚えていくんでしょうね。
すごいですね、歴史の1ページですよね、こういうのも(^^)
by JF (2008-04-14 18:55)
美味しい巻き寿司を作ってあげたいですね。
折角のイベントなのに、これじゃ・・・ね。(*^^*)
お寿司ご飯に、少しうるさいnoieでした。
by noie (2008-04-14 22:40)
★みなさま、引き続きご訪問と心温かなコメントをありがとうございます。
本当に嬉しく拝見しております。
そのくせ一括ユルユルコメントで本当にごめんなさい。
中々更新もできず、空いた時間に少しづつの皆様の所へのご訪問になりますが、
当分ゆるいペースが引き続きそうです。
こんな感じのぐうたら愚ブログですが、宜しければまたご贔屓によろしくです。(ノc_,・;)
ちなみに訪問してもナイスを回覧板の判子代わりにする事もありますが、日本誤変換できないPCだったんだね・・ってご理解いただけるとありがたいです。
色々不便が続きます。
スンマセン。
by julliez (2008-04-16 22:34)
いや~、なんで私3月4日の飛行機取っちゃったんだろう…と思いました(涙)。でもjulliezさんの記事で雰囲気を楽しみました。アップありがとうございます!
by aia (2008-04-18 19:32)
はじめまして。テーブル上のお料理の飾り方などすごく惹かれます。
もちろん、おしゃれなポスターも。まったく見あきることがないですね~
by ルビー (2008-05-03 11:21)