春を探そう

北東フランスの春の風は、かなり優しくなりました。

久し振りに古巣で仕事のお手伝いをしました。

まだまだ寒さの残るアルザス北部のバ・ランですが、少しずつ春の足音も聞こえてきつつあります。

冒頭の写真は去年の実がついたままのサクランボの花。

つまり桜ですね。

（日本の桜とはちょっと違うかも知れませんが）

そしてコチラのミラベルはまだこんな感じ。

去年の実がついたままです。

（紫の実が見えるでしょうか）

去年の実やその後の模様はコチラをどうぞ。

曇りがちなお天気で雨も多く、なかなか開花がゆっくりのようです。

かといってそれは全ての地域でそうかというと、

クリマ（区画）毎に微気候がはっきりとあるコチラでは他の植物の生態系にも影響があるようです。

というのも

私の滞在する村の畑の様子はこんな感じ

小さな春を発見！

タンポポが咲いていました。

丘の天辺から村を一望。

まだ寒そうな景色です。

この反対側はこんな感じ

葡萄畑の向こうはミラベルが満開です。

コチラはまた違う種類の花ですが不明・・・。

ミツバチがブンブン飛んでいます。

ミラベルはどこでも多く見られますが

この系統の桜に似た花はもう一つ、アーモンドの花です。

これはブルゴーニュとシャンパーニュにこの時期多く目に付くのですが

たいていの日本人は桜と勘違いすると言うことに最近気が付きました。

（私もブルゴーニュでは教えてもらうまで桜と信じて喜んでいました・・・。）

でもこの小さな白い花は日本の春を髣髴させてくれるので

それだけでも楽しい気分になります。

空気がきれいなので日本よりも香りが感じ取りやすいような気がします。

まぁそうは言っても奥ゆかしい香りなので、意識して香らねばなりませんが・・・。

ちなみに

この日、久々に手伝いをしたのですがコレが私の作業後の葡萄樹たち。

剪定の後に施すArcage アルカージュという作業。

枝が本格的に成長を始める前にワイヤーに固定させる仕事です。

コチラはアルザスなので葡萄樹の背は高いのです。

ちょっとシャンパーニュやブルゴーニュと違うのがお分かりいただけるでしょうか。

このおにいちゃんは身長が大体188cm位なのでその高さは想像しやすいでしょうか。

元々アルザス地方ではこのアルカージュと云う作業は女性が行う仕事だったそうで

今でもおばさんがテキパキと作業している所もあります。

枝の固定はこんな感じです。

枝がこのようにしなるのでARC （弓）からこの言葉は着ているのです。

こんな感じで作業します。

中には弱っている枝もあり、しなりきらずに折れてしまうものもあります。

折れた後の枝にはグングンと樹液が溢れているのが見られます。

葡萄が生長し始めている様子がはっきり感じられます。

ちなみに樹液は甘くありません・・・。

（まだ葉っぱがないので光合成の後に糖分を溜め込む事できません。

葡萄の糖分は葉っぱに溜め込まれるのです。）

葡萄畑の小さな芽はもうすぐ緑色に膨らんで来る事でしょう。

コチラの村でも、もう少しでこんな風にミラベルとサクランボが咲き乱れる事でしょう。

太陽が顔を出すとホカホカ、雲に隠れるとブルブルというような激しい寒暖の差が

畑では特に風が強いと体感温度が一段と寒く感じます。

とは言え、ボージュ山脈のお陰で、南仏のミストラルほど風が吹き荒ぶわけではなく、そこまで厳しくは無いので、

寒さの種類もちょっと違うように思います。

北の村でも春はもう始まりました。

タグ：alsace vigne

コメント 20

春の準備ですね。こちらは桜で満開でしたが、今日の雨で散りそうです。
by Krause (2008-04-08 07:38) 

春がそこまで来ているのですね。
でも、おにいさんの服装を見ているとまだ寒そうですね。
京都は、今桜が見頃を迎えていますよ。　春、真っ盛りです＾＾
by 真夏 (2008-04-08 10:03) 

春を感じるステキな写真ですね！(*^_^*)
アーモンドの花ってホント桜に似てますよね～
by blume (2008-04-08 10:24) 

ご無沙汰しています！
2008Ｖｔもいよいよ始まりますね～。
どんなワインが生み出されるのか？　楽しみですね。

遅ればせながら「キュヴェ・スペシャル RJ 」をいただきました。
飲んだ後に買った値段確認してみましたが素晴らしくコスパの高いシャンパーニュで度肝を抜かれました（笑）
「RJ 」の限定版を買えなかったのがなんとも失敗したなぁ…と。。
by サンデブ (2008-04-08 13:23) 

まだまだそちらは寒そうですね。
日本では振り子式とか言われる仕立ですね。名前はあれども、どこのワイナリーでもやってません＞＜
本で読んだだけで、実際見たのは初めてです。
結束はテープではなく、紐（？）を使っているんですね。いい味だしてます＾＾
by crow (2008-04-08 14:37) 

アーモンドの花、私もつい最近まで桜だと思ってました。
桜に似た花を見ると嬉しくなりますよね。
葡萄の芽はまだかなあ・・・いつワイン棚を見に行こうか、思案中です。
by めぎ (2008-04-08 15:10) 

彼の地では一気に春がやってくるのですね
だけど毎日外にでているとちょっとした気配は感じるものなんですよね
これで雨でも降ると一気に初夏突入かしら
by pace (2008-04-08 15:49) 

景色を成す淡い黄緑の色合いが春っぽいですね♪
この葡萄の木で、樹齢何年くらいなのでしょうか？
樹齢によって葡萄の味も変わるのかしら・・・。

by Inatimy (2008-04-08 16:20) 

★みなさま、コメントにご訪問ありがとうございます。

先週は雪が降りましたが、天気が良いと12度くらいにはなります。
衣替えはないこの地、体調管理が何よりも大事な季節です＾＾。
ご質問いただいた内容については次回に葡萄樹のこと色々ご紹介しますね。
by julliez (2008-04-08 18:02) 

背が高い人は、やりにくい高さですね
by toraneko-tora (2008-04-08 20:31) 

アルザス！懐かしいというか、嬉しいです～（＾＾）
by ＪＦ (2008-04-08 21:06) 

アルザスもようやく春ですね。
いつだったか桜と似ていると書いていらしたアーモンドの花は、これなんですね。
ほんと、小ぶりの桜。サクランボの花は、八重の桜のよう。
アルカージュは添え木のような作業なんですね。腰が痛くなりそうだけど、これを
乗り越えないとおいしいワインができないんですよね。


by TaekoLovesParis (2008-04-08 21:33) 

葡萄畑の丹精な仕事ぶりが美しいですね。
こういう畑からうまれるワインはフィネスがあるんだろうなぁ・・・・。
と、妄想モードに突入してしまいます。
斜面ごしのミラベルと、彼方に見える町並みのトンガリ屋根が素敵。

アーモンドもミラベルも桜もバラ科だから花が似ていますね。
アーモンドの上の写真の白い花も桃と樹形が似ている気がします。
気品があってかわいいなぁ♡
by てんとうむし (2008-04-08 22:40) 

やっとアルザスにも遅い春が到来ですね。
アーモンドの花を初めて見ました。桜にそっくり！。
葡萄畑でのお仕事、結構大変そうですね。
お身体にお気をつけて、頑張ってくださいね。
by noie (2008-04-08 23:47) 

葡萄の樹液、、、と聞いて「葡萄味か？」と思ってしまいました；；；
甘くないんですね(^^;
by たろう (2008-04-09 06:40) 

ポツンと一輪のタンポポかわいいですね＾＾
アルザスにも春は確実にやってきてますね
これから又葡萄の成長をこちらで見られるのを楽しみにしていますね
by Ranger (2008-04-09 20:25) 

フランスの春はゆっくりゆっくり来るんですね。
それに比べると，日本の春はあっという間に来て去っていくような。
ここ数年とくに春と秋の逃げ足が速いような。
by トムヤム (2008-04-10 10:24) 

アーモンドの花って綺麗ですね♪　ほんと、桜に似てる！
春が近付いてるのが感じられます。アルザスは一度行ってみたいんですよね～。
by ひろころ (2008-04-10 23:02) 

たくさんの写真たのしみました。
私もミラベルを桜と思っていました。他にも似た花があって桜は2月ごろから4月まで
桜が楽しめるってちょっと勘違いしてましたが、気分は桜です。
by いっぷく (2008-04-11 07:28) 

初めまして。
Inatimyさんのブログの方からお邪魔しました。
素敵な写真の数々、それにワイン畑での作業その他葡萄の色んな事を勉強させていただきました^^
のどかな田園風景が素敵ですね^^
by Ballacki (2008-04-12 10:51)