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[ひらめき]最終更新日:12/10/2011

En avril, ne te découvre pas d’un fil [champagne-ardenne 地方]

4月は一糸たりとも脱ぐべからず

まさにその通りの気候で、衣替えという作業がフランスでは殆ど無い(自分調べ)事が実感できる激しい三寒四温です。

3月ネタが終らないまま4月になってしまいました。


4月の日差しは優しくなりましたが、まだまだ寒さも居残り中です。
お天気であれば葡萄畑でお昼のサンドイッチでも食べられそうですが、一端曇ると一気に気温が落ち込み、小雨が降り始めると一気に気温は一桁になります。

ボルドーを始めアキテーヌ地方は豊かな春の色合いを感じられる雰囲気に覆われましたが
それでも気温差は激しいものです。
コチラ北東はまだまだ春の色合いが戻ってくるのを待っている感じで日本ではちょっと想像できない底冷えがします。

特に冬場からこの時期のセラーでのティスティングは寒さもハンパなく、かなり体力を消耗します。
日本から来たバイヤーの方も何人かは体調を崩していました。

IMGP8163.jpg

3月に終えたタイユの後、剪定した枝をワイヤーに固定する作業が北東の北限でも後少しで終了です。

 

今日は折角なのでシャンパーニュで行われている作業をお届けします。
(この作業は先週には終っているはずですが、アルザスではもう少し続いています。)

IMGP8164.jpg

斜面で煙がモクモクしてますね。

これは剪定した枝を燃やしているのです。

まだまだ寒い北東の畑ではとても嬉しい暖であり、これも一つのエコって事でしょうか。
(煙の向こうにおじさんがいるんですけど見えませんね・・・。)

この日は雨の翌日だったので一見畑は何の変哲も無く見えますが、実はぬかるんでいます。
うっかり足元を見ないでウロウロすると靴はドロだらけ。
しかも斜面なので滑りますので運が悪い人は転がり落ちるかも知れません。
(この時期にあまりそんな人はいないようですが、収穫時期に私はアルザスの斜面で洗礼を受けました。)

IMGP7404.jpg

斜面はキツイので比較的穏やかな場所へ行きましょう。

 

剪定方式は2種類あるのですが
コチラはタイユ・ギュヨというタイプでブルゴーニュに多いようです。

ギュヨはバケット(Baquetteとクールソン(Courson)という2本の枝だけを残して剪定し、新芽の数も厳格に調整します。
ちなみにバゲットと呼ばれる枝が今年の収穫に実をつける枝で、クールソンは来年に実を付ける枝として剪定します。

この作業はワインつくりの基盤ともいえるので、かなり重要です。
その上機械で行う事は難しいのでこの寒い時期、地味で寒くてタイヘンなお仕事の一つなのです。

IMGP7397.jpg

ブルゴーニュ地方、シャンパーニュ地方の葡萄樹の低さは前にも紹介していますが
剪定や収穫での作業は本当に腰に辛い作業です。
でも最近はこんな風に移動しやすくしかも腰掛けて出来るように工夫されてきたようです。
(今更・・・ですが、彼らはこの手の不便さに対して日本人のように果てしなく快適に改善していく・・・
という涙ぐましい努力や行動は殆ど見られないのが特徴です。)

 

IMGP7415.jpg これは大いなる進歩です。

しゃがんで黙々と行う作業はかなりの重労働ですから、これだけでも腰の負担は相当楽チンになるはずです。

でも考えてみればこれは比較的斜面が易しいとか、平らな場所なら有効ですが
グランクリュな斜面では使えません・・。
そうカンタンには手を抜けないって事か。

 

さて、剪定された後の枝はこんな感じでシャープに切れています。
樹液がぐんぐんと上がっています。

IMGP7409.jpg 
ビオディナミではこの切り口にハーブや諸々の天然素材の配合液を塗布します。
(つまり人間で言うところのバンドエイドってわけです。)
この配合作業もかなり手間がかかります。
(それは長くなるのでまた今度)

 

一見地味に見える畑ですが、この時期の仕事はとても多く、しかも重要。

IMGP7402.jpg

カタツムリも畑に戻ってきました。
(でも食べませんよ)

 

漸くタンポポが咲き始めた畑ですが
北東はこれからミラベルが満開になりそうです。

選定作業のあれこれはまた時間のあるときにゆっくりと・・という感じで・・。

 



ではまた

 

 

 

 

 


nice!(34)  コメント(18) 
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コメント 18

てんとうむし

葡萄畑と剪定された樹、そしてカタツムリ。
詩情溢れる風景と厳しい作業に思いをはせ、胸が熱くなります。
そして、真っ赤なシートになごみました。
by てんとうむし (2008-04-04 21:53) 

TaekoLovesParis

そちら北東部はまだ寒い日々なんですね。日本ではあちこちで花便りが行きかっているのに。。
単調なうすら寒い日々を乗り越えて、葡萄は育ちはじめるんですね。
剪定作業は、機械ではできない仕事だから、熟練の見る眼が大事なんでしょうね。
by TaekoLovesParis (2008-04-04 22:11) 

crow

基本は日本も一緒ですが、ブドウの背の低さは驚きです。
一本一本に愛情込めて剪定していく姿は、禅僧のような悟りの雰囲気がありますよね。
ところで水揚げしてるってことは、剪定は少し遅めなんでしょうか?
あんまり早くやると枯れこんでしまうからかなぁ?


by crow (2008-04-04 22:25) 

miffy

世界の天気で見るとまだヨーロッパは寒そうですね。
美味しいものを作るためには地道な作業が必要なんですね。
花盛りのミラベルが見たいです^^

by miffy (2008-04-04 23:04) 

noie

まだまだ、寒そうなお写真ですね。
日本は、ポカポカで暖かくなってきましたよ。

by noie (2008-04-04 23:07) 

トムヤム

むうー,農作業はたいへんなのだ。
こういうの見ちゃうと,1滴たりともワインを無駄にしちゃイカン,って思っちゃう。
by トムヤム (2008-04-04 23:27) 

めぎ

芽が出るのはもうちょっと先かなあと思って、葡萄棚を見に行くのは4月末頃まで見送っています。
3月に見に行った時、2本しか枝がないのと何本も枝が出ているのがありましたが、作業途中だったわけですね。
平坦な土地でも結構辛そうな作業、あの斜面で剪定するのは過酷でしょうねえ・・・
そうまでしてワインを作ろうとする情熱。
いろんなことを考えてしまいます。
by めぎ (2008-04-05 06:12) 

Inatimy

こちらも週末、最高で6℃だったか、7℃だったか・・・。
まだまだダウンコートが手放せません。
にじみ出てきた樹液でさえ、なんだか果汁のように甘そうに見えますね。
なめたら、どんな味かしら・・・?
by Inatimy (2008-04-05 06:13) 

いっぷく

移動式イスはまだまだ改善の余地がありそうですね。
日本のイメージで農作業というと米か野菜。
そちらでは葡萄と野菜というイメージ以外に考えられないです。
主食である小麦畑はほとんど見た事ないですね。
by いっぷく (2008-04-05 10:10) 

rino

まだまだ冬装備ですね。
葡萄畑での並々ならぬ作業、大切に育てられてできるワイン、
こちらでいろいろなことを知ることができます。
by rino (2008-04-05 11:26) 

aia

この三輪車もどきのもの、おぉと思ったのですが、

>でも考えてみればこれは比較的斜面が易しいとか、平らな場所なら有効ですが
グランクリュな斜面では使えません・・。

そうですよねー…そうでした(笑)。
でも、私がお店で買っているワインが、そういう労力の末に出来たものだと思うと、感慨もひとしおです。変な言い方ですが、大事にちゃんと飲まなきゃという気になります。
by aia (2008-04-06 05:51) 

miumiu

都心住まいの方が長くなったけど、田舎育ちなので畑の写真に癒されます。
芽吹きの季節はいいですね。
もうすぐ雑草に覆われた緑の畑に変身ですね♪
by miumiu (2008-04-06 15:26) 

ハイマン

あれ~ niceを押しても反映されないよ~
どうしてだろう。。。
by ハイマン (2008-04-06 17:20) 

こぼぱん

大変な作業ですね・・・
かたつむり、かわいいですね^^
煙の向こう、じーーーっと目を凝らしてしまいました 笑
by こぼぱん (2008-04-06 17:57) 

blume

まだまだ寒そうですね。
そんな中での地味な作業・・・ホント大変そう。
by blume (2008-04-06 18:01) 

真夏

すべて手作業とは大変ですね~。
こうして、手をかけて初めていい葡萄ができるのですね。
それにしても、これは気が遠くなるような作業ですよ。
by 真夏 (2008-04-07 07:37) 

JF

3月は天気が悪くて寒い印象しか残っていないんですけど、
作業をしている人達が身近に感じられます~(^^)
by JF (2008-04-07 10:57) 

mompeli

こちらの気候はまったく逆で 日中汗ばむ陽気でも 日が暮れると途端にブルブル
朝も霜が下りることもあったりで こっちにきてからそういえば「衣替え」らしいことをしていません
この気温差がブドウにもいいんでしょうかね
このカニ歩きの三輪車 日本人だったらちょっと車輪を電動にするかな?
by mompeli (2008-04-12 19:36) 

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