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[ひらめき]最終更新日:12/10/2011

ワインの香り les trois types d'arômes [vins 葡萄酒あれこれ]

ワインが葡萄から造られる飲みものである事は皆様もよくご存知だと思います。

そして不思議な事に、ワインには葡萄の香り以上に複雑な香りが詰まっています。

それは何故でしょう?

   

ワインの風味は香りと味わいに分けられます。ワインの香りの表現は色々あるのだけれど、現地でも皆がみんなきちんと把握しているわけではないのです。そういう時に、発信するプロフェッショナルはこんな風に解説してくれています。

「ワインの香りについて…」

ある生産者が手書きして自らのワインショップに貼り付けているものですが、実に親切な表です。
(ちなみにオレンジ色の憎いヤツでピンと来る方もいらっしゃるかと思いますが、ジュヴレィのガロワさんのショップで見られます。)

   

ワインの香りのベース、無限に広がるワインの香りの特徴を9つのカテゴリーに絞り込んだ元ボルドー大学の

 Emile PEYNAUD (エミール・ペイノー)博士 の分類表が有名です。ワインを学んだ方はこの授業も受けた事だと思います。

  1. 動物質の匂い
  2. バルサム質の匂い
  3. 木質の匂い
  4. 化学的な匂い
  5. 香辛料の匂い
  6. 焦臭的な匂い
  7. 花のような匂い
  8. 果実のような匂い
  9. 植物のような匂い

①の動物的な匂い・・・

これは所謂、ジビエとか、牛肉、野生の匂いで想像もカンタンですね。

②のバルサム、

松ノ木、樹脂、ヴァニラの匂い。

 

③木質の匂い
そのまんま、オーク香、(新しい木、樽香など)

④化学的な匂い・・・あるんです。
プラスティック、石油などのオイル系、酵母菌、酸味と発酵の匂い。石鹸とか。

⑤香辛料の匂い、

胡椒、丁子、シナモン、ナツメグ、生姜、トリュフ、ハッカ、アニス。

⑥焦臭的な匂い
クリーム・ブリュレ、煙、トースト、皮、コーヒーの匂い

⑦花のような匂い
すみれ、バラ、ライラック、ユリ、ジャスミンなど

⑧果実のような匂い

黒スグリ、木苺、チェリー、プラム、杏子、洋ナシ、桃、リンゴ、苺、無花果、レモン、グレープフルーツ、
メロン、バナナ、パッションフルーツ、マンゴ・・・。

⑨植物のような匂い

ハーブ、茶、マッシュルーム、茎、野菜(ピーマン、タバコ、苅草)・・。

更に細かい分類が続くのですが(そこは限りない追求の世界です)大まかにはコレで十分でしょう。

ワインという飲み物は、他の飲み物を圧倒する風味豊かなお酒である事が伝わってきますね。
そしてもう少し深く説明するならば、
ワインの風味は「アロマとブーケ」と呼ばれ、
更に第一、第二、第三の三つの風味に分家するのです。

それはワインは「生き物」であるからです。

葡萄が収穫され、果汁が絞られて、やがて発酵し醸造の過程を経てワインへと変身して行く。
そしてワインになってからも時間の旅を続ける事によって、更に成長していく。
それが彼らの変化する風味なのです。

ミルクの匂いがする赤ちゃん、日向の匂いのする子供、汗臭い青年時代、香水を嗜む大人・・・
更に更に年を重ねることで人間も香りが変化するように、ワインも変わると考えて貰うと想像しやすい・・・?
ヘンな例えですが・・・。

 

第1アロマ

葡萄本来の香り。
品種特性香と呼ばれ、若いうちに飲んで楽しむワインに見つけられる。
何故か異例な程はっきり葡萄の香りがそのまま詰め込まれたワインの代表ミュスカ、
香りの高さは女王級葡萄のゲヴュルツトラミネールなど。

第2アロマ

発酵の工程で、酵母や乳酸菌の働きで生まれてくる香りを指す。
大方、②~⑨の匂いや、ボージョレヌーヴォーのドロップのような匂い、樽香。巷で言われるビオ臭、シュール・リーの澱や酵母臭も。

第3アロマはブーケと云われる。
発酵終了後、タンクや樽の中で熟成を重ねる事で身に付ける香り。
そして、瓶詰めされてから更に熟成を重ねる事で生成する熟成香を指す。
つまり、①の野獣臭、下草、トリュフ、リコリス(カンゾウ)ノワゼットなど。
 

通常はアロマとブーケの違いで意識するだけで良いと思います。

アロマは葡萄本来の香り、ブーケは熟成することで身に付ける後天的な風味。

例えばスパイシーと言う表現は日本人にとって、どうもカレー系な香辛料のイメージが一般的に浸透しているようですが、
その中の代表「胡椒」だけでなく、アルザスのバラと謳われる、ゲヴュルツトラミネールに見つけられる「ライチ」の香りなど南洋の花の香りを主に指す場合の方が強いです。
フランスでは「お香」的な匂いも、スパイシーと表現されます。(欧州在住の方は、思い当たりませんか?)

  ワインの香りも感じ方は千差万別なので自分の感じる香りで見出せばそれなりに面白いと思います。

ただし、勢いに任せて

「春風に髪をなびかせる美少女。」

とか言ってもあなたにしか分からない香りになるのでやめておいた方がいいかも。
フツウのお友達も減るかも知れないし。
所謂プロが良く使う試飲用語の表現は外国語と同じで世界共通とも言えるので、一般の方が耳にすると、

「なんですか?それ?」

と思うような表現も確かにあります。

 

真似しなくても怖がらなくても大丈夫です。普通に自分や周りが知っている身近な香りで探せばいいと思います。

ノワゼットの意味が把握できなくても、蜂蜜を酸化させたみたいな香り・・・とかシェリー酒みたいな香り・・・なら想像できますね?

 

好みの風味が見つかったら、ワイン屋さんやレストランでもかなり伝え易くなります。これならワインの名前より覚えやすいかも知れません。ゲームみたいに今日の一杯のワインにどの香りを探せるか楽しんだら、一緒に飲む人とも盛り上がるかも知れないですね。

 

ただし、あんまりくるくる回すと、繊細なブルゴーニュのワインは台無しになるので悪いクセにならないようにグラスをクルクル回すのはやめた方がいいでしょう。
あんまりクルクルするとビンボウゆすりのようですし・・・。
(食事でワイングラスをクルクル回す行為は殆ど意味が無いし、本当は無粋なのです。)




タグ:arômes bouquet
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コメント 14

yk2

幸い、僕の飲み友達には「春風に髪をなびかせる美少女」とか云っちゃうタイプは1人もいないのでとても平和です。

が、もし、こんなセリフを真面目な顔して口にする方と同席する機会があったなら、ドサージュ・ゼロなjulliezさんがどんな表情でそれを受け止められるか、怖い物見たさで見てみたい気がします(笑)。
by yk2 (2008-02-24 10:07) 

春分

とても面白かったです。
アロマに2種あるあたりで、すでについていってないですが。
by 春分 (2008-02-24 16:24) 

noie

香りを表現するのは、簡単なようで、なかなか難しいですね。
いろいろな臭いを知っている必要がありそうですね。
by noie (2008-02-24 23:28) 

Inatimy

かなり参考になりました♪
酒屋さんの棚に並ぶワインの前に、
そのワインの名前と匂いの表示があるのですが、
いまひとつ想像できない匂いもあるので、
逆に、怖いもの見たさで買ってみたくなります♪
by Inatimy (2008-02-25 03:42) 

JF

gewruztraminer・・・好きです♪ライチだけとも思えない香り~(^^)
by JF (2008-05-05 07:57) 

こば

熟成したシャンパンには白トリュフの香りって、ありますね。
リコリス(甘草)は、アメリカに来るまであまり「これ」という固定した風味を身につけていなかったのですが、こっちではリコリスって子供のおやつで超メジャーだったという・・・。なのでカリフォルニアの赤ワインのアロマで「リコリス」という表現をけっこう見かけますが、「なんだ子供の駄菓子の匂いがするのか?」と思っちゃいます。(笑)
アメリカのヨープレイトのヨーグルトって、ストロベリー、ラズベリーはもちろん、ブラックベリー、マルベリーまで揃っているので、けっこう「ベリー風味の比較、判定」の基準になって、いい訓練だと思ってます。(爆)
by こば (2008-05-05 13:48) 

mellow

ワインを楽しむ香りと食事にあうワインの香りってありますよね。
こちらを眺めては、今夜は美味しいワインを飲もうっていつも思います。
ありがとうございます。
by mellow (2008-05-05 16:40) 

crow

案の定、スパイシーは胡椒や東南アジア系スパイスの
刺激的な表現だと思っていました ><
そしてグラスでクルクル回しっぱなしのテーブルマナー(笑)
気をつけなきゃ(汗
by crow (2008-05-05 17:36) 

びっけ

こんにちは。
アロマとブーケ・・・どちらも初めて知りました。
ワインの香りが時とともに変化していくというあたり、ワインの奥深さを感じました。
昨晩、友人宅でワインを2本空けてきましたが、もっと、香りを楽しめば良かったなぁ・・・と、ちょっぴり反省。
(^^;
by びっけ (2008-05-06 09:55) 

てんとうむし

それぞれが持っている香りの引き出しは経験知によるので、おなじものを嗅いでもどの要素を強く感じるかはひとそれぞれで、それがまた面白くもありますね。
私の場合、スパイシーというとレストランの調理場が浮かんできます。
えーと、甘草はフランス語ではなんていうんだっけ・・・じゃあ、八角は?シナモンはえーっと、そのままね、と頭の中がぐるぐる渦巻きになって溺れかかります(笑)

by てんとうむし (2008-05-06 23:23) 

julliez

★みなさまご訪問ありがとうございます。

ちょっと過去の記事ですがリニューアルで更新しました。
一括のお返事ですみません。
ワインの香りに関しては最近また勉強しなおす機会がありフランスと日本でのちょっとした温度差を発見してお国柄を感じた次第です。
またこの件に関しては改めて時間が出来れば書いてみたいなぁと思っています。

実はアロマの果実、英語と日本語に変換する時頭の悪い私はいつも大混乱でもはや日本語のイメージが出来ません。
ブラックベリーはmûre、ラズベリーはframboise、ストロベリーはfraise、ブルーベリーはmyrtille
マルベリーって桑でしたっけ?sycamineなのか・・・?
ベリー系で覚えると、きっと便利そうですね。
ちなみに
甘草はréglisse、八角はanis でわりと英語っぽいですが、シナモンはCannelleです^^

by julliez (2008-05-07 00:51) 

Ballacki

こんばんは^^
ワインの香り、想像以上に複雑なのですね。動物質の匂いなんて例えられものもあるのですね。勉強になります。
色々学ぶことが多いですね^^ だからこそ面白みがありますし、はまりますね^^
私はドイツ語勉強してますけど、語学の楽しみのような面白さがワインにもありますね♪

by Ballacki (2008-05-07 21:02) 

chercher

色々な香りの表現がありますね。その香りを想像しただけで楽しくなりました♪
グラスに入れたワインが、時間の経過とともに色々な香りが広がってきて、楽しいですよね。
自分で表現できない香りとか、ソムリエさんの理解できない表現とか色々ありますが、
そこにワインがあれば幸せです(^^♪
by chercher (2008-05-10 17:31) 

mompeli

人間のもつ感覚の中でも嗅覚は一番言葉に表しにくい 微妙な感覚だと思います
ましてフランス語のスパイシーが日本語のスパイシーと違うように 
国によって言葉の意味もビミョウに違ってくるので 
ワインを言葉で捉えるのは本当に難しいなあと思います
それだけに奥が深いというか 楽しいものなのかもしれないですけどね☆
by mompeli (2008-05-13 08:49) 

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