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[ひらめき]最終更新日:12/10/2011

vendanges en Epérnay à BJ 2007 [cave セラー]

オーブの収穫は終わりました。
今日はエペルネのもう一つのチームの収穫の模様をご紹介しましょう。

みなさん、こんにちは。

今年も元気ハツラツ醸造チームです。

彼らは長年に渡って葡萄のプレスを行う元気なおじさんたち。
(殆どが元警官で、今はリタイアしてこのプレスだけ手伝う人たちです。この何十年と続けて手伝っている大切な仲間です。)

仕事中は真剣ですが、いつもユーモアを忘れない楽しい仕事仲間です。
プレス中に作った密造酒(といっても非売品なだけで合法的なんですが)のラタフィアを飲みながら彼らは働きます。

 

   葡萄が運ばれてきたら 

 ロゼの色出し用のピノ・ノワールは皆で選果します。 


醸造チームは全部で8名くらい。
醸造のリーダーはステファン(後ろ向きの兄さんです。)
右端はこのメゾンのオーナーです。(ダンディです)

ちなみに門外不出ですが、ロゼシャンパン用の赤ワインはボトルで保管されています。

 

 プレスを待つ葡萄たち。かわいいですね。

それぞれのケースに収穫したグループの代表者の名前が付けられています。
この出来高でお給料が払われます。
(品質の悪い葡萄が多いと却下されます。)                                                                                                                                                                                                                                                              

 

 

では早速新鮮なうちにプレスしてもらいましょう。 

 

4000kg入ります。
そして一回目で2050ℓ、2回目に500ℓ 絞ることが法律で許されています。
絞られた果汁はこのバスケットの下にあるタンクへ一旦流れます。


この時期のカーヴは甘い匂いでイッパイです。

糖度が乗った果汁は甘くてすこし酸っぱさも残っています。
これはブルゴーニュとは違うところ。
ブルゴーニュは糖度(アルコール分になる)を必要とするので完熟させて収穫します。
シャンパーニュは酸度が重要なので完熟の手前で収穫します。
(それゆえMLFという減産発酵を行い、後に酸のバランスを調整しますが、ヴィンテージシャンパンにする場合はMLFは行わないという考えも大いにあります。)

今年は収穫量は下りましたが、葡萄は健全なものだけを選びます。

そしてこれが近代的なプレス機の一昔前の、古典派プレス機です。清潔に保てば何十年と現役で使えます。(年に一回だけ活躍するだけですが、最も重要な存在です。)

これは遡る事、ドン・ペリニョンの時代から使われてるバスケット式プレス機と同じ型のものです。 

 

 

モリモリしてきたら、こうして掻き分けます。

 

 

さあ、蓋を閉めますよ。

 

フタの重みは調整できますが、これは機械でコントロールするのではなく、職人達が長年のカンで葡萄の状態と気候を考慮しながら判断します。
一旦プレスが始まると、川の流れるような音がして果汁が下のタンクへと流れていきます。

 

この辺りの様子は去年の記事からどうぞ。

 

果汁の香りは甘くて濃厚。
思ったよりも凄い勢いで果汁はあふれ出します。

 

 

一回目のプレスが終わったら葡萄はこんな感じになります。
案外(機械ほどではないにせよ)、ペッタンコではないのです。

 

 

 

 

ここがカーブです。右端がプレス機のある一画。
1階は醸造・発酵タンクと作業所。
2階は収穫時の食堂。

そしてこの地下50メートルに貯蔵カーヴがあります。

 

このあたり、掘り進めると、お隣のカーヴと直結しそう。

 

 日本人と違って、作業に追われて、食事をおろそかにする・・・などと云う文化はこの国にはありません。


私の大好きな職人さんが生シャンパンを景気よく開けています。
彼の凄い職人芸(←クリック)は前にも書きましたが、これもそのうちの一つ。

 

分かります?

王冠キャップなので澱が溜まった部分をこれで弾き飛ばします。
今では機械化が進み、マイナス10度で凍らせて抜き取るのが主流ですが、彼はそんな必要がありません。
そのまま瞬間に飛ばして左手で溢れないようにちゃんと留めます。

 

門出のリキュール添加を行わないので生シャンパンをこのまま皆で飲むのです。
(理由はカンタン、お祝いの景気だけではなくて、このシャンパンに仕上げにどれくらいリキュール添加するか決めるからです。
これはアッサンブラージュというブレンドと同じくらい大切な作業です。
私もこの味見と調整に何度か付き合っていますが、面白いけれど大変デリケートな作業です。)

 

その後は、食事です。

生シャンパンを飲みながら、気分転換で盛り上がります。
このおじさん、私はエノログ(醸造責任者)よりも尊敬しています。
素晴らしい仕事人です。
そして最高の笑顔の持ち主で、周囲の人を温かい気持ちにさせてくれます。

特に、このセラーチーム全体に感じるのは、あたたかさと穏やかさ・・です。

凄い結束なのですが、皆、とても寛容で紳士達です。

 

収穫時期にありがちなピリピリしている嫌な緊張感がないのでいいですね。
これは本当にすごいことです。
この円満なムードはワインにも影響すると思います。

決してゆるい訳ではないのですが
距離感の取り方がとても上手い大人の集団です。

 

今回は生シャンパンでどの程度のブレンド率を決めるか、首脳陣が集まってのランチです。
(収穫は同時進行で行われていますけど、これはそれ以上に重要なポイント)

 

先日彼らにケチャップのネタの話をしたら・・・・・。
(フランスの醸造家の家でケチャップを見た事が無い云々・・)

このテーブルにケチャップがあるではありませんか。
(フライドポテトにつける為・・・でしょうか。←ナイナイ。 では私のブログの為でしょうか・・・。)

ユーモアは大切です。
この瞬間笑いこけました。(誰もケチャップを使わないんですよ。ってか使えない。)
関西気質を感じたのは私だけでしょうか。
オチを付けてくれてありがとね。

 

ちなみに新当主ニコラは私同様に広報用の撮影班でしたのでカーブ編では登場できませんでした。

でもダイジョウブ。

ほら、こんな所で畑の状況を確認中をパチッと撮っておきました。

 見えにくいですかねぇ。

 

 

エペルネでは殆どのメゾンがジプシーを雇って収穫が行われます。
彼らはキャラバンで移動して、彼らのコミューンで毎年動きます。

学生バイトと違ってジプシーは中々問題が多くて雇う事を躊躇する生産者も多いのですが
毎年同じチームで収穫を行うのはとても重要です。

ジプシーの中でも、毎年同じチームを雇うことは葡萄の収穫にとっても大切です。

 

 

さて次回は私の本家の合宿先の収穫の模様・・・・・ばっかりじゃねぇ。

やっぱりこの次の段階の作業にしましょう。
(アルザス・ブルゴーニュのスティルワイン醸造編はまた別途で・・・。)

 

 

 

photo par N.Bauget et julliez

 


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コメント 29

うぉぉぉ 醸造チーム カッコイイ~☆ 甘いニオイがこちにまで漂ってきそうな写真の数々 みてるだけでワクワクしてきます。こうやって新しいワインができていくんですね。「凄い職人芸」ってホントにすごいんだろうなぁ~ちょこんとケチャップののった食卓 ナイス!です でもホントに使わない……使えない?のですね。味覚がおかしくなるからなのかしら??ああ あっちもこっちもいいたいことがいっぱい 盛りだくさんの内容 ありがとうございます
by (2007-09-13 09:10) 

私も収穫のお手伝いをしに行きたいです(←ちょっと本気)
この秋から夜の営業も検討してましてワインの勉強中です。
覚えなければならないことがたくさんありすぎてパニっていますが
うちはレストランではないのでそこまで勉強しなくてもいいのですが
何分凝り性で・・・(笑)
これからもこちらで勉強させていただきます~
by (2007-09-13 10:27) 

どらっち

大人の仕事場、ですね。一緒にいるjulliezさんも大人なんでしょうね(^^)
いろいろお初なモノがみれて、おもしろかったです。
by どらっち (2007-09-13 12:14) 

nicolas

をを~~~~~♡デッカイ樽で美味しそうなツブツブが潰されていくーー!
醸造チームの方々、短パンなんですね!
おみ足がカッコイイです。選果なんかのその過程、おっちゃんたちはナニを会話されているのか?
そういう、マニアックなところがミョウに気になってしまいます(笑)。
by nicolas (2007-09-13 13:53) 

julliez

★mompeli sama
ここの醸造チーム、いいんですよ、ホント。
ケチャップね、その後どうなったのか分かりません・・・。
フライドポテトなら使えるかな・・(でも多分マスタードとマヨネーズを使うような気がします)

★カフェオランジェさま
ワインのお勉強、たいへんですね。
ムツカシイ事抜きで楽しいワインが飲める場所がいいなぁ。
いつかお邪魔しますので・・・。


★どらっちさま
いえいえ、私は浮いています。
というより浮ついている・・感じです。(´ω`*)
浮かれちゃってますね。
by julliez (2007-09-13 14:06) 

julliez

★にこちゃん
シャンパーニュ、ブルゴーニュは短パン天国です。
おっちゃんとて、腰の位置が高くて脚が長いから見ごたえアリです♪
ちなみに、会話はフランス人のお得意な日常のあれこれのおしゃべりです。
昨日家で誰某がどうしたこうした・・とか、割りと地味な会話が面白おかしく繰り広げられています。
by julliez (2007-09-13 14:11) 

delphy

皆さん、いい顔してますね〜
チームの心意気、大切に飲みますね。

ボンジュールのおにいちゃん・・・畑で何を思う・・・
by delphy (2007-09-13 16:03) 

めぎ

おおおおおおすごおおおい!樽いっぱいの葡萄ちゃん♪
醸造チームのカッコイイことといったら、すっかり惚れちゃいますね~
真剣で大人の仕事だけど、子どもが大好きなことにのめり込んでいるようなわくわく感もして、とっても素敵だわ~
そう、いい食事をして、みんなとお話しして、盛り上がって、そういう時間が大切なんですよね。
by めぎ (2007-09-13 16:25) 

Inatimy

男の人のエプロン姿って、カッコいいです。 しかも短パンにあわせるとことろも。
カーブの1階の床の高さ、ちゃんと車の荷台の高さと合うんですね。
by Inatimy (2007-09-13 17:10) 

aia

プレス機の中のプレス前のぶどう、こんもりきれいですね。
スーパーに行ったら、ぶどうがあまりにもきれいだったので、シャスラとミュスカを買ってしまいました。
食用とワイン用では育て方等々も違うのかもしれませんが、「これと同じ種類のぶどうがワインになるんだ」ということに興奮しつつ(笑)、味を楽しみたいとおもっています。
by aia (2007-09-13 19:23) 

ブルーメン

醸造チームのおじさま、ナイスです!本当に沢山の葡萄ですねぇ~☆
ブレンド率を決めるのは難しそうですね!楽しみながら仕事が出来るのは最高ですね(^^)
by ブルーメン (2007-09-13 20:46) 

atelier-northern-photo

ああ~ん、シャンパン飲みながら仕事がしたい!!
by atelier-northern-photo (2007-09-13 21:20) 

miffy

醸造チームのおじ様方素敵ですね^^
by miffy (2007-09-13 23:08) 

Wino

いいですねぇ~こんな環境で、いい仕事仲間に囲まれてみたいです!
by Wino (2007-09-13 23:56) 

Mimosa

醸造チームのおじさん達、とってもサンパな感じの方ばかりですね~。お仕事も楽しそう~♪
大きなプレス機に入れられた葡萄達が小粒に見えて可愛いですね~☆でも、この後にプレスされるのが、ちょっと可愛そうな気も。。。
プレスされる直前の様子をjuillezさんの写真から見ることが出来て、シャンパーニュづくり、さらに興味深くなりました!そして、葡萄の果汁の甘い香りを、実際に嗅いでみたくなりました~^^♪
by Mimosa (2007-09-14 01:13) 

krause

収穫、お疲れ様でした。とても勉強になるブログなので、いつも楽しみにしています。
by krause (2007-09-14 03:50) 

葡萄がこれだけあると小さく見えるのでウミブドウに見えてしまいます。
いや~、すごいですね~。
by (2007-09-14 07:01) 

wakatate

木製樽の絞り機、使うのは年に一度ですか!
この樽の絞り機が、山梨のフルーツ公園の中に
展示されていましたよ、何年か前フランスから
輸入されたものとか聞きました。
by wakatate (2007-09-14 17:00) 

すごい量の葡萄ですえね!(゚▽゚*)
しかも、絞る量も法律で決まってるんですね!
by (2007-09-14 17:47) 

miumiu

山盛りのシャルドネ、可愛いです。海ぶどうみたい!って思ったり。←ぶどうみたいだから海ぶどうだった。。(笑

沢山の画像をみているとワクワクしてきますね。

サイドバーの「ひとりごと」にある“伝染病”が気になります。
by miumiu (2007-09-15 08:59) 

ハイマン

ワインにする前に
ジュースで飲んでしましたい!
by ハイマン (2007-09-15 18:17) 

TaekoLovesParis

BJ、りんご系のさわやかさで、おいしかったシャンパン。こうやって作られているのね、と
親しみをもって読みました。さすがjulliezさん、どれも写真がきれいで、よくわかります。
プレス機が圧巻ですね!
ニコラくんが出てこないと思ったら、写真班だったんですね。
by TaekoLovesParis (2007-09-16 09:59) 

rino

わーーーすごいところを見せていただきました!
おじさま方素敵、素敵~~♪(おばさんがすみません・・)
人とのすてきなかかわりがある仕事場っていいですね。
by rino (2007-09-16 10:59) 

marcy

ボジョレーのカタログが来ましたね~。
もうそんな季節なんですね。
by marcy (2007-09-17 15:02) 

mellow

はじめまして。
先日(それはコルクだったのですが)シャンパンの澱を飛ばす職人さんの技をテレビでみました。
同じように王冠をあげて澱を飛ばしているのですね。
すごいな・・・うらやましいなって思いました。
また読ませていただきますね。
by mellow (2007-09-17 18:03) 

イケメン醸造チームですね♪
うっとり~。
彼らの笑顔で、おいしいワインが生まれるのですね。
今年も楽しみです^^。
by (2007-09-17 22:01) 

julliez

★みなさま
ご訪問とナイスな足跡&心温かいコメントをいつもありがとうございます。
まとめてのお返事でスミマセン。
醸造チームは大喜びです。
これからも頑張って素晴らしいシャンパンを造っていただける事と思います。

シャンパーニュは殆ど収穫は終了。
これから北東はアルザスがピークを迎えます。
(クレマンの収穫から始まり、ピノ・ノワール、そして白葡萄の本格的な収穫です。
遅摘み、貴腐葡萄の収穫と続きますので、10月までかかりますね。)
ボルドーもこれから盛り上がりを見せそうです。
by julliez (2007-09-18 12:20) 

シェリー

本当に皆さん職人さんという感じですね~
きっとたいへんな作業なのだろうけれど
楽しそうな空気にも伝わってくるのが不思議です。
きっと充実した毎日なんですようね~
そんなシャンパンたちが私の手元へもいつかきてくれるかなぁ~♪
by シェリー (2007-09-19 12:50) 

ウーン、やっぱ、ナマで見たいですね〜。
by (2007-09-20 00:28) 

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