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[ひらめき]最終更新日:12/10/2011

Extraction des jus [cave セラー]

葡萄果汁がワインになる工程を備忘録を兼ねておさらいしましょう。
ワインがどうやって出来るのか、

収穫した葡萄がプレスされて果汁にされた後のお話です。

コイツは赤ワイン用果汁。(ピノ・ノワール)

味わいはかすかに渋みも感じるけど、まだ完全な葡萄ジュースです。

しかしながら日本で市販されている葡萄果汁とは全く違う香りと味わいです。

香りは・・・・
ブルガリアローズとか、野いちごのジャムのような甘い香り。

(およそ葡萄と結びつかない香りですが
そもそも日本の葡萄果汁は生食葡萄に科学的な香りを付けている物が多いので生々しい香りがしますものね。
ワインの葡萄はヴィティス・ヴィニフェラという品種です。
生食の巨砲やデラウエアなどは、ヴィティス・ラブルスカという品種で、味わいの個性が違います。)

味わいは・・・・
かなり酸っぱくて、そして濃厚な甘さです。
かすかなタンニン(渋み)があり、子供は飲まないと思われます。

 

プレス後の果汁はこうして糖度を計り、アルコール度数を予測します。
糖度が高いとアルコール度数は高くなります。
(だから葡萄を完熟させて収穫する生産者が多いのです。
ただし、糖度が上がるにつれて酸度が少なくなるので、この辺りは収穫前に生産者が決断を迫られるのですが。)

 

こちらはプレスしただけのピノノワール。
普通に赤いですね。
果皮の赤い色ももれなく出ています。

味わいはディープで甘酸っぱいです。
葡萄を食べた時と同じ味わいですが、葡萄をイメージする香りはありません。
(私が思うに、これがヴィニフェラ種の個性なのではないでしょうか。)


その後大抵、3日以内でこんな感じに落ち着きます。

透明感が出てきました。
この果汁はデブルバージュという清澄作業を施すことで美しい透明感が得られます。
バクテリアの繁殖も無い、健全な果汁である証です。

これは素晴らしく美味しい。
完璧なまでにバラ、洋ナシや、完熟した林檎の甘酸っぱさが絡まった香りがします。
甘さのバランスといい、このまま飲み続けたくなる美味しさです。

こんな美しい100%果汁は飲んだことがありません。
(アルザスの職人自慢の生葡萄ジュースも霞みます。)

天然の葡萄果汁は天国への最初の扉です。

さて続けましょう

先ほどの透明感のある果汁は再び濁りました。

この辺りになると、果汁は化学変化を起こしているので、科学的な味わいが発生します。
少し硫黄を感じるような独特の香りです。
日本の温泉街の香りとでも申しましょうか。

少し泡立っていますね。

これがワインへと変化する発酵の最初のプロセスです。

葡萄についている天然の酵母(若しくは培養酵母)が葡萄果汁の糖分をパクパク食べるのです。
酵母は糖分が大好きなのです。

 

そして酵母は糖分を食べながらアルコールとガスを排出します。
人間と同じで食べたら出す。
自然界の流れですね。

だから見える部分ではガスが発生して、見えない部分ではアルコールが生まれているのです。

そしてこの果汁は今、化学変化の真っ只中にいます。

 20度を超えるとはっきり分かります
味わいはウマい炭酸葡萄果汁です。
これは本当に美味しい。

この時点になると、ピノよりもシャルドネがダントツにバランスの取れた美味しさを発揮します。
味わいは最高級なトロピカーナジュース。
パイナップルや林檎、パッションフルーツ、やっぱり葡萄の味は見えません。 

 

 

 20度以下の場合こんな感じ

 

タンクの温度を上げると益々酵母の活動は活発になり、溢れんばかりのガスが大発生します。
そしてモチロン、ワインになるべくアルコール度数も上がりだします。

この時期のセラーは酵母の大合唱が聞こえます。

コポコポ・・・・・・

 

 タンクの中ではこんな風にガスの泡が発生しています。 

ガスを抜きつつ、糖分が完全にアルコールへと変わるのを待ちます。
(糖分がアルコールに変わるので、味わいに甘さはなくなります。
甘いワインを造る場合、この発酵の途中で酵母の働きを止めてしまいます。)

ちなみにこの泡はシャンパンの泡にはなりません。
どの葡萄もこのプロセスを踏んでワインへと変身するのですよ。

 

さて、去年の画像でスミマセンが分かりやすいと思うのでこれも使います。

 これぞペットボトル内発酵。

立派に発酵しちゃってくれてます。

この間、ボトルには特別なことをせずとも、このように果汁は勝手に発酵運動をマイペースで行います。
当然ながら、これをカーブで行う場合は化学室のように清潔な状態で、ワインがバクテリアに犯されないように細心の注意を図って管理されます。

まぁ、今でも自然に任せているところも多々あります。

 

    

 

シャンパンの場合は酵母の活動が一旦収まると、タンクと樽に分けられて熟成させます。

簡単にざーっと説明しましたが、
本でコムツカシク書かれている発酵のプロセスはこんな感じで始まります。

化学式も色々あるんですけど、
太古の先人達はそんな事を知らなくても、ワインを造っていました。

葡萄は自然の作用で自らワインへと生まれ変わるのだよ。
ワシらはそれを見守っているだけだ。

そう言うヴィニュロンは多いです。
しかしその言葉の奥には、弛まぬ努力、経験値だけではない研究と情報交換。
畑での惜しみない労力と愛情が注がれています。

上から目線でワインを語る人は多いですが、
造っている彼らの目線は、いつも葡萄畑で生る葡萄と同じ位置です。

かといって、皆さんが殊更有り難がって飲まれるような事も望んではいないでしょう。

美味しいナァ・・。

その言葉だけで彼らは最高にゴキゲンな気持ちになるのです。

 

 

 

発酵後のお話はまたこの次に・・・。

 

・・・・と思ったら、ちゃんと その後の話は記事にしていました。
今から見るとちょっと難しい気もしますが、良かったらご覧下さい。
(セラーの項目に色々あります。)

この時期のネタは、かぶりますね~。

 

 

 

 


nice!(37)  コメント(23) 
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コメント 23

絞り出された一滴 こんなふうに変わっていくのですね~とても面白く見せていただきました。
100%天然葡萄果汁を口に含み 天国への扉を開く……ぜひ味わってみたいものです。
ああ 今夜はワイン飲もうっと☆
by (2007-09-21 17:02) 

Ducca

色も香りも味わいもこんなに変化するんですね。
発酵過程の炭酸葡萄ジュースが是非飲んでみたいデス。
by Ducca (2007-09-21 20:11) 

miffy

こんなふうにして変わっていくんですね~
とってもわかりやすく説明していただいてありがとうございます^^
毎回とっても勉強になります~
それぞれの香りを嗅いでみたいです。
by miffy (2007-09-21 21:28) 

TaekoLovesParis

デブルバージュ後のジュースを飲めるのは、生産者さんの所にいる
julliezさんに与えられた特権ですね。香りも味も特別のものなんでしょうね。
by TaekoLovesParis (2007-09-21 21:34) 

Inatimy

発酵の世界は、とても興味深いですね。 ものすごい変化を与えてくれます。
糖分がなくなると、酵母は、飢え死にしちゃうのかしら・・・?
by Inatimy (2007-09-21 22:01) 

Wino

ん~デブルバージュ後のジュース私も飲みたい!
これなら禁酒中の身でも、奥深いワインの雰囲気が。。。
市販のコンコードの葡萄ジュースでは物足りません、ハイ。。
by Wino (2007-09-21 23:11) 

miumiu

む~~~~~~。すてき。
自然の力はホントにミラクルですね。

醗酵の過程、とても魅力的です。

こぽこぽ。。。。こぽ。。こぽ。。。
by miumiu (2007-09-22 00:17) 

aia

先日あけたワインは、1日目はまぁ普通のワインだったのですが、2日目に納豆臭のするワインに変わっていて、これはもうダメかなと思っていたら、3日目(それでも飲もうとしてしまうしぶとい私です^^;)にものすごく深みのあるワインにかわっていて、「ワインは生きてる」を実感したところです。
ペットボトルの中のワイン、何度みてもすごいふくらみです。果汁が元気な証拠ですね。
by aia (2007-09-22 03:57) 

nicolas

発酵途中の香り、嗅いでみたいなー
新潟の岩野原ワインの「ペルレ」って、これの中のどれかに当てはまりますか?
by nicolas (2007-09-22 14:47) 

rino

いつも興味深く読ませていただいてます。ありがとうございます!
本当に何も知らなくて・・・
途中の段階で葡萄味ではなく、他の果物のようなんですね~
不思議ですし、面白いですね・・
なんだかとってもワインを味わって飲みたくなりました・・・
by rino (2007-09-22 20:12) 

julliez

みなさま、ご訪問と心温かいコメントをいつもありがとうございます。(。・ω・。)ノ♡

★mompeli sama
今夜のワインはこの過程を経て変身したものですよ♪
楽しんでくださいね。


★Ducca sama
この炭酸が現れる頃が一番美味しい感じがします。
でもどれも好きです、うふふ。


★miffy sama
この香りの不思議にいつも翻弄されております。
こちらこそありがとうございます。


★taeko sama
この試飲が一番好きなオベンキョウです。
でも明確に違いを判断しなければなりません。
彼らはすでにこうなるって判断してプレス、発酵させるのですから凄いです。


★Inatimy sama
発酵ってワインだけではなく、全ての世界で不思議が繰り広げられますね。
パンだってそうですものね。
ちなみにお腹いっぱい食べて自分のアルコールで酔っ払った酵母は溺れ死にます。▼ω▼

★Wino sama
ダイエット中の葡萄果汁はワインより危険ですよ。
ハンパなく糖分満載ですから、コンコードの方が無難かも♪


★Miumiu sama
大合唱は蔵の中で響き渡っていますよ。
時々樽の蓋も飛んじゃいます。


★aia sama
ワインは生きていると感じる事はフランスではより体感できますね。
今日も美味しいワイン飲んでくださいね。


★にこちゃん
丁度、パンパンに膨れているペットボトルっぽいですね。
でも、多分訪問するときによっても違うと思います。
そういう意味では全部かなぁ。


★rino sama
ワインって、葡萄って不思議です。
葡萄なのに花の香りがあったり、キノコの香りがあったり、他の果実の香りがあったり、
今度またゆっくり探してみてくださいね。
by julliez (2007-09-23 00:10) 

krause

参考になりました!
by krause (2007-09-23 04:41) 

ハイマン

ますます飲みたくなって来たぞ~
by ハイマン (2007-09-23 08:46) 

Mimosa

とっても興味深く見させていただきました!
果汁からの色の変化、そして、発酵の様子がよ~くわかりました!
ワインになる前の果汁、一度味わってみたいです。美味しそう...♪
そして、酵母の大合唱も聞いてみたいです...。
by Mimosa (2007-09-24 01:59) 

めぎ

今日もフェーダーヴァイサーを飲んでました私。
酵母がよく食べているようで、そんなに甘くなかったです。
買うと毎回味が違うのがおもしろいです。
それにしても、事前にこうして一度透き通っているとは知りませんでした。
葡萄の変化って魔法のようですね。
by めぎ (2007-09-24 06:54) 

ブルーメン

私も最近発酵のワインのんでます!飲む度味が違いますね!季節限定に弱く、最近私はこればかりです(^^)
オーストリアではこのワインをシュトルム(嵐と言う意味だそうです・・・)といいます。
甘くて美味しいのでついつい飲み過ぎてしまいます^^;
by ブルーメン (2007-09-24 15:07) 

炭酸葡萄果汁、美味しそうですね~。
飲んでみたいです。
by (2007-09-26 08:00) 

delphy

久しぶりに爆弾観ました(笑)
醗酵って科学だけど生活なんですね。
by delphy (2007-09-26 09:54) 

atelier-northern-photo

そうそう、ワインは自然の科学工場。
その恩恵が凄く良いな!!
by atelier-northern-photo (2007-09-26 17:25) 

RangerMaeda

julliez さんとブログで知り合ってから、ワインの見る目が変わってきましたが
今回の記事を読ませて頂き、さらに葡萄を創る工程からの弛まぬ努力と愛情があればこそだと・・・・
ありがたいことです
人工程ずつの味、僕も体験してみたいです^^
by RangerMaeda (2007-09-27 17:11) 

う~ん。素晴らしい。
「子供の飲まない葡萄ジュース」=「大人の葡萄ジュース」???
飲んでみたいなっ♪
by (2007-09-27 22:09) 

julliez

★一括お返事コメントでスミマセン。
みなさま、ご訪問と、温かいお言葉、いつも、いつも、ありがとうござます。
葡萄とワインとこのブログを通して、出会えた皆さんに、
何か素敵な気分を手土産に持ち帰っていただければ、一番嬉しいです。
いつも皆さんに元気と幸せを貰っております。
本当にありがとうございます♪
by julliez (2007-09-28 06:02) 

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