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[ひらめき]最終更新日:12/10/2011

vitraux de cathédrale [Saint Patron 守護聖人]

ランスのノートルダム大聖堂のステンドガラスの続きです。

大聖堂の中で見られるステンドガラスはたくさんありますが、殆どが戦争で失われてしまいました。
その中でも奇跡的に残っているのはバラの窓と呼ばれる西側正面の大聖堂の顔でもあるガラスです。

 



そして新しく献上されたステンドガラスは今や大聖堂を訪れる観光客への名物・目玉化しています。

 単体で切り取って見るとその美しさにハッとするのはやはりシャガールのステンドガラスです。
(あくまでも教会と切り離してみる方が美しさは倍増します。←自分調べ)

 

 

 

このそばには、あの有名な聖女がいます。

 

  
           ジャンヌ・ダルク                     聖母マリア

ちょっと籠の中で唄う小鳥のような感じです。

今日はまだキャンドルが灯されていませんね。(これからです)

 

 

                  

 

 

ところで折角大聖堂に寄ったのですから、これからシャンパンメゾンを訪問する前に、先ずこれを見ずして聖なるシャンパンは飲めませんよ。

先にシャガールを見るのも結構ですが、
実はシャガールのステンドガラスの手前に位置したところに寄贈されているのです。
(入り口から右側を正面に向かって注意深く進むと、それは左手に現れます。)

 

本日のメインの登場です
ワインを、その職人気質で新たな魅惑の世界の飲み物へと進化させた先人達に敬意を払います。

 

 よ~く見なければなりませんよ。

 

3枚のステンドグラスの中にある物語には葡萄酒と守護聖人と職人達が
聖なるシャンパンを造っている様子がイッパイ詰まっているのです。

 

ルミアージュ(動瓶 クルクル)していますね。
ピュピトルという木製の昔ながらのシャンパンの瓶の倒立台で、これで澱を落とします。

左下はデゴルジュマン(集められた澱を抜く作業)をしている様子です。(この作業を詳しく知りたい方はクリックして下さい。)
四方にあるのはそれぞれのシャンパンを産出する地元の村々の教会と名前が入っています。

我こそはシャンパン愛飲家の方々、
幾つの村が言えますか?
(私は未だに位置と名前がバラバラです。 ←自慢になりませんけど。(〃ω〃) )

 

 

 
これは収穫された葡萄がシャンパンになるまでの工程です。


それぞれの職人が大活躍していますね。
そして生産者の周りには葡萄酒にまつわる守護聖人たちが共に描かれています。
お酒の守護神であるディオニソスへの賛歌のように描かれています。

神と聖人と葡萄酒は宗教的側面から見ても切っても切れない聖なる領域の仕事であったしるしです。


右側は収穫の様子、神のご加護の元、素晴らしい収穫の日を迎えられた様子です。
左側は収穫した葡萄の果汁を絞って発酵させるところです。
今でもこのようにクラシックな木の桶を使用している生産者はいます。
その様子はコチラからどうぞ(←クリック♪)

 

                         

こちらはシャンパンの瓶とグラスを作る、ガラス職人ですね。
シャンパンは泡の気圧が高いので、他の(スパークリングも含めた)ワインのボトルと構造が違うのです。
このボトル秘話はもう少し後で述べますね。

 

 

  

左側の真ん中はサン・ヴァンサン(聖ヴァンサン)という葡萄酒と生産者の守護聖人
特に北東フランスではバッカス以上にかなり重要な葡萄酒の聖人です。

右側の真ん中に描かれているサン・バッカスは葡萄酒の最も有名な守護聖人ですから、描かれていないわけありませんね。
十字架を掲げて、シャンパンを造る生産者たちの祈りを聞き入れています。
(実はこの生産者の祈りを酒の神ディオニソスに届けるのがサン・ヴァンサンのお仕事の一つです。)

そしてその上にいるのは、あの方です。

              

そう、この天秤の前で作業しているのは、
ベネディクト会修道士ドン・ペリニョン(Dom Pierre Pérignon)師です。

この人は某最高級シャンパンの代名詞で有名ですが、
シャンパーニュ地方に実在した僧侶で、ワイン界のレオナルド・ダ・ヴィンチと呼ばれる修道士のお名前なんです。
フランスでも昔、お神酒を作っていたのは神に仕えるお坊様だったと言うわけです。
(ミサに白ワインは欠かせません)

 

 

 

いまやこの修道士はその功績や存在以上に
高いシャンパンの代名詞として有名になりましたが、
それは、かの有名な大手シャンパン製造会社である、Moet et Chandon の最高級プレステージシャンパンの名前となり、いつしかドンペリという省略されたネーミングが別の人格をもって歩き始めたからです。

1743年、このモエテシャンドン社が、かつてオヴィレール村の教会の酒庫係ドンペリニョン師が取り仕切っていたその蔵と教会を買い上げた事で、この会社のプレステージシャンパンの名前がキュヴェ・ドンペリニョンになったのです。
(ドンペリというのは日本でしか通用しない愛称なのです)

 

ドン・ペリニョンがシャンパンに与えた新たな命と現代に残す影響については更に長くなるので
やはりソロで別途更新します。

 

シャンパン好きの方、お楽しみに。

 

 

 


nice!(19)  コメント(11) 

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コメント 11

nicolas

きゃーきゃー 夜中にウロウロしてたらRSSにひっかかりましたよー
(もっと早く反応してくれるといいのになぁ)
夜中に、シャガールの素敵な蒼い世界独り占め気分です♡
シャガールってどこか精神的になにか病んでたのかも・・って、いつもあの軽い夢のような絵をみて
思うんですが、同時に暗いものをいつも感じて。それが見事にステンドグラスまで表現されちゃってる!
デゴルシュマン、今でも不思議な作業に感じます。でも、やっぱりそれも神聖な作業なんですねー
ドンペリさんも、テットドモアンヌだ!
by nicolas (2007-07-16 01:38) 

どらっち

シャンパンって、お神酒だったんだ・・・。日本じゃ、杜氏が酒を管理しますよね。
文化の違いは、戸惑いも生みますが、面白さも生みますね。
教会のステンドグラスって、なんか深いですね。
by どらっち (2007-07-16 02:53) 

Inatimy

工程が描かれているなんて、とても興味深いです。
こんなに色とりどりのガラスで細かく表現できるなんて、
ステンドグラスって偉大ですね。 
何度か教会や大聖堂で、ステンドグラスに葡萄を見たことがあるのですが、
今まで何故だか分かりませんでした。 これですっきり。 
by Inatimy (2007-07-16 04:02) 

koba-sf

これでもいちおう40冊以上のステンドグラス・パターンブックを出版しているデザイナーですが、やはり欧州のものは伝統的な作りになっていますね。間近に見てみたいものです。
いろんなしがらみに巻き込まれるので、数年前から僕は宗教がらみのステンドグラスは制作依頼を遠慮させていただいています。過去に一度だけお手伝いさせていただきましたが、ローズウィンドウはやっぱり綺麗ですねぇ。こういう思い切りカラフルな色使いも、またやりたくなりました。(笑)
by koba-sf (2007-07-16 08:38) 

crow

シャガールのグラデーションが見事に再現されていますね。
ステンドグラスの技術ってスゴイ・・・
圧搾機の下で踊るのは天使サマ?
なんかスゴク楽しそうですね^^
by crow (2007-07-16 10:20) 

noriko

うわぁ・・・青いステンドグラスたちの美しさと神秘、神々しさといったら・・・
夢のよう。
過去記事と行ったり来たりしながらゆっくり拝見させていただきました。
by noriko (2007-07-16 14:39) 

delphy

後世にもずっとこの色を残して欲しいですね。
私たちは心の中に、いつも曇り無く、持っていたいですね。
by delphy (2007-07-16 17:09) 

aia

葡萄酒と生産者の守護聖人というのがいるのですね。すごい。
それにしてもドン=ペリニヨン!シャンパンとゆかりのあるお坊さんがいるというのは何となく知っていましたが、それが彼だとは知りませんでした。ドンペリ、お値段がお値段なのでまだ飲んだことがありませんが、一生に一度くらい飲んでみたいです。
by aia (2007-07-16 19:34) 

julliez

★にこちゃん
ドンペリも頭とお腹は人並みのオッサンってことですね(´ω`*)
にこちゃんのためにサイズ大きくしてシャガール更新してみました。
これね、やっぱり教会全体の雰囲気から眺めると、妙に浮き足立っているのですけど、新しい時代の風として受け入れると教会は「時代のアートの集合体」と言う観点で見れるかなぁ。
この周辺だけが美術館のように俗っぽい雰囲気があるのは否めませんが、シャンパン飲んでふわふわ酔っ払ってる感じが出ているようにも見えるのでそれはそれで面白いです。


★どらっちさま
そうそう!ワイン(シャンパン)はキリストと切っても切れない関係なのです。
神に仕える人たちが昔せっせと造って寄進していたのですよ。


★Inatimy sama
葡萄は教会と密接な関係にありますね。
ワインにまつわる神様や聖人は数え切れないほどいるんですよ~。


★koba sama
koba さまのちょいと粋でポップなカラフルワールドも見てみたいものです。
宗教色が強いのは教会ゆえ仕方ありませんが、その物語に興味が尽きません。
中々興味深いです。
特にワインと神々の関係は楽しい宿題で今めっちゃ本を与えられていますが頑張って読破できそうです。


★crow sama
この天使は恐らく大天使の誰かでしょうね。
彼らを巡る神とワインと民衆の文化の話は非常に面白いんですが、ややこしいのでまた調べておきます。


★てんとうむしさま
行ったり来たり、お疲れ様です^^
ワインは文化と歴史の一部ということが体感できます。
きっと日本酒も追求するともっと深いのでしょうね。
それをもっと理解しておくべきだったと思っています。


★delphy sama
争う事がなければ、きっとほぼ永久に残るはずだと思います。
でも形あるものはいつか壊れる日が来る事も知っておかねばなりませんね。
西正面の入り口は、お化粧直しも少し進んで、右側がちょっとだけ白くきれいになっています。


★aia sama
ペリニョン僧侶の話はちょっとした伝説なんですよ。
出来すぎかもしれませんが、また更新しますね。
味わいについて揶揄する人もたまにいますが、実際、やはり王様のシャンパンにふさわしいと思います。
きちんと熟成させれば・・・の話ですが。
by julliez (2007-07-16 21:37) 

めぎ

ほんとだ~シャンパン、造ってる!
by めぎ (2007-07-19 01:12) 

素晴らしいステンドグラスですね。
私の従姉妹の叔母さんは、ステンドグラスの魅力で虜になってしまい、今では、ステンドグラス教室をしています。
そんな叔母さんの気持ちが、わかってきました。
素晴らしい芸術ですね。
by (2007-07-22 22:46) 

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