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[ひらめき]最終更新日:12/10/2011

débourrement 萌芽 [vignes 葡萄畑]

さて春の畑の様子をお伝えしましょう。

4月中頃から5月にかけて、そろそろあちこちで芽吹き始めだした葡萄の赤ちゃん葉が見られます。

 

この時期、畑で Labour という土を耕す仕事が行われます。
最近、特にブルゴーニュでは馬による耕作が注目されています。
葡萄畑の所有者が行うだけではなく、馬による耕作請負人のようなプロが、委託されて行うスタイルが増えつつあります。

 

トラクターで行うより土に重みによる負担をかけないと言われていますが
シャンパーニュでも、まだまだトラクターが主流。

 

しかしながらトラクターで耕作すると土を固めてしまうと決め付けるのはキンモツ。
非常にデリケートに作業を行えば、トラクターでも畑はふわふわになります。
(ここが仕事の腕の良し悪しの別れ道とも言えますね。
実際に目の当たりにしたので言えますが、トラクターの重みが必ずしも土壌を踏み固めるような負担をかける訳ではありません。)

丁寧にゆっくりと運転し、トラクターの後ろから更に手を加えながら仕事を施せば、こんな感じです。

 

    
トラクター                           馬耕作

 

良い仕事には甲乙をつける必要がありませんね。
この手の丁寧な畑仕事を行う生産者は、大方ですが自然派と呼ばれる、無農薬有機栽培による土壌に負担をかけない葡萄栽培を行っています。
除草剤は使わず、馬やトラクターによる作業で土を掘り起こします。
(が、トラクターで除草剤をまいて雑草を枯れさせる方法もありますので、この場合トラクターの働きが違ってきます。)

 

 ブルゴーニュでは今、馬耕作の需要は高まる一方なのですが、供給は追いつきません。
数年前からボーヌの醸造学校でも馬による耕作を行う人たちを養成するクラスが新たに作られたほどです。

馬の農耕請負人は引く手あまたですが、彼等が請け負える限界は14hくらいでしょうか。

自社所有で馬を持ち、自ら耕作する生産者もまだ少ないですが(デュガ・ピィやクロード・デュガ、オリヴィエ・ギヨ など)
請負人はこんな感じで仕事を続けています。

 
こちらは馬による耕作の第一人者のエリック・マルタン氏
ブルゴーニュで引っ張りダコの仕事人です。

 

                                   ---------------- 

 

シャンパーニュではまだビオディナミも含めて、馬による耕作はブルゴーニュほどではありませんが
無農薬有機栽培から発生した様々な考えの自然派のワイン(シャンパン)造りは増えつつあります。
それはリュットレゾネという減農薬有機栽培という自然の理に叶った畑仕事の栽培方法から、かなり厳格な約束事で徹底した自然回帰で月の満ち欠け等のバイオリズムを引用したストイックな栽培方法まで様々です。



この栽培方法は環境も含め色々な意見がありますが
この先のワインの醸造はビオディナミの農耕とはある意味、一線を画しますので混同しない方がいいと思います。

美味しいワイン=畑での仕事(気の遠くなる手間)+蔵での醸造(醸造家の腕とセンス)
ですが、残念ながら、ビオロジーが美味しさを保障する「=」になるとは限りません。


醸造の仕事はワインの味わいにかなりの影響を与えますので、この先の仕事がビオ臭(香ではない方)と云われる酸化劣化や還元臭(香ではありません)があるワインと、本当にピュアなワインの違いになります。

亜硫酸塩(SO2)についても頭が痛くなるヤリダマに挙げる人もいますが、確率的には蕎麦アレルギーを持つ方と同じ位の率の反応です。
飲みすぎれば、間違いなく、ど~んなワインもヅツウの原因になりうるでしょう。

そして、試飲の印象だけでワインの味わいを畑仕事の結果判断基準にしないほうが良いかも知れません。

実際、下の写真のように、物凄いジャングルのような放置プレーな畑の葡萄から出来たワインもピュアで美味しい自然派ワインとして日本に登場し、多くの人が褒め称えています。
しかしその畑は見るも無残で周りの自然派の生産者も頭を痛めている有様です

 

 
(これが、人気急上昇の自然派ワインで有名な、ある生産者の葡萄畑。 
・・って、葡萄はどこ
葡萄にミラベルに栗や林檎等、果物の宝庫です。ここには馬はおろか、人間が入る余地も中々なさそうですね。
これが本当の自然回帰だ!と生産者は断言していて、地元でもワイン自体の支持者もかなり多いようです 
日本のブログのワイン愛好家の方たちからも絶賛されている記事も拝見しますし、
これでも一応自然派には変わりないそうですから、・・・・実際美味しく感じるんだから問題ないのでしょう。)



シャンパーニュでも、ビオディナミを激しく信仰して実践している生産者で相当凄い考えを話す人もいます。

畑に馬を入れ、土足厳禁で作業を行うのが彼のルール。

何故土足厳禁なのか聞いたら

「靴は土を固めるから畑に負担をかけるんだ。」


あぁ、そうなんですか・・・。
(それがどれ位影響があるのか判りませんけど、かなり真剣なので、まぁ見守っていきましょう。)

 

 Bauget-Jouette

さて、今年の太陽はどんな恵みを与えてくれるでしょうか

 


nice!(17)  コメント(13) 
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コメント 13

めぎ

足と土が対話してるんでしょうね。
ワインの赤ちゃん葉っぱが可愛いですね~
by めぎ (2007-04-08 05:19) 

crow

トラクターがなんかカワイイですね^^
ビオや自然派には議論の耐えない部分が見受けられますが、さすがにその畑(?)はちょっと・・・(笑)
話には聞いていましたが、そちらのブドウ畑は本当に背が低いですね。日本では人の背丈以上に伸びています。
by crow (2007-04-08 15:28) 

delphy

自分の作るワインや、自分の畑、機械、家族、仲間・・・
全てに愛があるのなら、どんな造り方でも、いいよね。
だって、それがあれば、今の自分のベストを尽くすと思うし・・・
ベストを尽くしたワインには、何か感じるものがきっとあると
信じています。
その液体に、全てが詰まっているから・・・
by delphy (2007-04-08 18:57) 

徒然わいん

この畑は・・・ 目が点になりました。畑そのものが自然に戻りつつあるようで、葡萄は無くなってしまいそう。どうやって収穫するんでしょうか?この方のワインって、私は飲んだことあるんだろうか?
by 徒然わいん (2007-04-09 07:03) 

justice-7

コメントありがとうございました☆
ワインは、大好きです♪知識はあまりないのですが
料理に合うワインに出会うと嬉しいですね♪
ゆっくり読んで、お勉強させていただきますね。
by justice-7 (2007-04-09 07:17) 

yoocomint

お久しぶりです!!
葡萄の赤ちゃんがどう育つか楽しみですね!!
スゴク手間暇かかっているのが伝わってきますね!!
by yoocomint (2007-04-09 10:53) 

自然派ワインですか~、凄いですね。
ちなみに、MY畑も自然派の野菜が収穫できます^^;
by (2007-04-09 11:16) 

各生産者のワインへのこだわりが感じられます。
野放しのワイン畑は、かなりワイルドな味がしそうです。もし、手間がかからない分安ければ納得しましょう。
by (2007-04-09 14:38) 

julliez

みなさまコメントありがとうございます。

★めぎさま
私は破傷風が怖かったのですが、裸足でお邪魔する畑はくすぐったくてヘンな感じです。

★crow sama
コニャックやボルドーはもう少し背が高いですし、アルザスやブルゴーニュのオートコートはかなり高くなります。
でも日本の葡萄樹には叶わないかな・・。

★delphy sama
そうですね、全ての生産者にdelphy さん並の深い愛を持っていただきたいものです。
私たちが期待するベストと彼らの目指すベストはいつも同じではないかも知れませんし、それこそがフランスらしくて面白いと思います。

★徒然ワインさま
飲まれたかどうか、はっきり分かりませんが、日本での評価の高さに驚いたのは確かです。
地元ではある意味ワインより(悪い意味で)有名な畑です。

★le soleil sama
ありがとうございます。
難しい話は於いて置いて、一緒に楽しんで下さると嬉しいです。

★yoocomint sama
これからメキメキ大きくなっていきますよ~♪
一緒に見守っていきましょう。

★シンナツさま
シンナツさんちの自然派京野菜(!)食べてみたいです。
畑便りも楽しみです。

★Ikesan sama
ワイルドな畑でしょ、
最初葡萄畑の一帯の中に何があるのか判らなかったんですけど、とにかくあばら家状態で笑いました。
でもワインは結構高いんですよ、何故か分からないのですが・・・。
by julliez (2007-04-09 15:50) 

TaekoLovesParis

馬を使うんですか。。なるほどね~。Mr.マルタンのサイト見てきました。馬の脚がとても太いように見えますが働く馬だからでしょうか。
by TaekoLovesParis (2007-04-10 02:03) 

julliez

★taeko sama
そうそう、道産子みたいでしょ。
馬自体も凄く大きいのです。
by julliez (2007-04-10 03:31) 

ビオロジー、オーストリアでもニコライホフなどが積極的に取り入れていますが、やはり、いかに手間隙かけるかが大事なポイントのひとつなんでしょうね。
by (2007-04-10 05:27) 

春ですね~。
何とも、素敵な一瞬ですね。
雪が解けて、芽吹き、花が咲き始め・・・
赤ちゃん葉っぱを見ていると、なんだかとても癒されるような気がします。

こちらのblogのバックがワイン色になりましたね。
とても華やかで、素敵です。
こういうの、大好きです♪
by (2007-04-10 21:49) 

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