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[ひらめき]最終更新日:12/10/2011

Renoir を巡る ~家族編~ [Renoir ルノワールと]

 「ここでは、パリで味わう以上のパンとバターがあり
    そしてまた、素晴らしい地酒(vin de pay)が私を魅了する。」

                               Renoir / AUBE

 

 

1885年に、妻・アリーヌの出身地のエッソワEssoyes村
(トロワから約40キロ南にあるセーヌ河の上流部に位置する素朴で小さな村)
にルノワールは初めて訪れます。

 

1895年にはアリーヌに勧められてこの地に家を購入し、
別荘として使用されて その後1905年に敷地内にアトリエを建てました。


ルノワールには3人の息子に恵まれ、
長男ピエールは「ラ・マルセイエーズ」などに出演した映画俳優。
次男のジャンはフランスを代表する映画監督になっています。
三男のクロード(幼年時代はココと云う愛称で呼ばれています)はプロデューサーという、やはり映像に関する芸術一家を継承していますね。

 

 


ジャンの作品には「どん底」「大いなる幻影」「フレンチカンカン」など著名なものがあり、フランス映画の父と呼ばれていたりします。

 

やはり父オーギュスト・ルノワールの影響は偉大だったようで、
例えば日本の有名な映画評論家の故・淀川長治氏はジャン・ルノワールの作品をこんな風に大絶賛しています。

 

 この人以外にはこういう映画を作れなかっただろう、
ということをやってくれたのは『フレンチ・カンカン』です。
ジャン・ギャバンに、フレンチ・カンカンいう踊りの創案者を演じさせたのね。
パリの粋なキャバレーの主人、そんな役が一番似合わないギャバンで撮って、みごとにそれらしく演じさせています。その演出が凄い。

バックステージも凄い、ほかの共演者が全部凄い。
お父さんは画家のオーギュスト・ルノワール、その影響がよく現れています。
きれいくて、きれいくて、こんなきれいな映画を見たことがない思いました。

 本当はね、(彼の作品で)どれが一番なんて言えないの、みんなよくて。

             

 

 そんな彼らの幼少時代は巨匠が数多くの作品として残されています。

如何に愛情を注いでルノワールが家族を見つめていたのか伺えるものばかりですね。


アリーヌと長男ピエール

母になったアリーヌの表情をご覧下さい。

 これ以上無いと云うほど幸せをかみしめていますね。

 

 こちらはココことクロード

 

こちらはジャンとガブリエル(アリーヌの姪で家族同様に過した女性)

この時代は男の子たちは、女の子の格好をさせられる風習(厄払いだそう)があり、彼等は髪を伸ばして女の子と同じ格好をしています。

特にルノワールの子供だったからと言うわけではないようです。 

 

 私が一番好きな巨匠の自画像。

この絵を描いた当時既に
リウマチが酷く、筆を握る事すら思うようにならず

「手足がきかなくなった今になって、大作を描きたいと思うようになった。
ヴェロネーゼや、彼の『カナの婚礼』のことばかり夢みている!」

と云う言葉を残しています。

 

 

 

 

 ところで

冒頭の巨匠の言葉はオーブで語った一言ですが
私にはとても馴染み良い言葉です。
当時はここにパリのように洗練された食べ物も珍しい物はなかったでしょうが

朝、焼きたてのパンと、手作りのバター

そしてテーブルには庭で咲いていた花と
近所の知り合いのおじさんたちが造るワインとシャンパン

聞こえてくるのはセーヌ川の流れる音と
鳥のさえずりのようにおしゃべりをする女性達の声

これだけあれば、この素朴で穏やかな美しい田舎に
何が必要でしょう。

 

 

時代は移ろいでも
今もそれは変わっていないような気がします。
この地を訪れる者には
今も同じ時間が流れているような気がします。

 

では

この次はエッソワ村のアトリエ周辺の散歩にご案内しましょうね。

 

 

 

 

 

 


nice!(15)  コメント(12) 
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コメント 12

めぎ

ジャンとガブリエル、男の子なんですね!
なるほど~
by めぎ (2007-02-11 08:55) 

この時代に男の子が女の子の恰好を‘‘厄払‘‘だとは知りませんでした。
ルノワールが家族を愛する気持ちが、絵を見てよくわかります。
みんな、素敵な笑顔ですね。
by (2007-02-11 09:45) 

オーブって素晴らしいところなのですね。
わたしも、一度でいいから同じ時間を過ごしてみたいものです。
by (2007-02-11 19:17) 

yk2

授乳するアリーヌ、多分年代違いか習作だと思うんだけど、同じ構図で好きな絵があって、今までモデルがはっきりしなかったのでこの記事読んで、ようやくすっきりしました。
by yk2 (2007-02-11 23:54) 

noriko

どの絵もあたたかい眼差しで描かれていますね。
本当に家族を大切にしていたんだろうなぁ・・・と伝わってきます。
そして、冒頭の言葉からはルノワールの食いしん坊な一面がうかがえて、ちょっと親近感も(笑)
by noriko (2007-02-12 11:12) 

いっぷく

メタル・フィギュアで遊んでいる絵に時代を感じました。
今ではこのおもちゃアンティークとしてコレクターが集めています。
by いっぷく (2007-02-12 17:59) 

julliez

みなさま、コメントとniceをありがとうございました。

★めぎさま
息子達は本当に可愛くて女の子にしか見えませんね。
特に末っ子のココはルノワールが60才を過ぎた時の子供で、相当数の絵が残っています。

★りんりんさま
厄払いって、不思議ですね。
男の子の出生率が低かったからでしょうか?

★シンナツさま
時間の流れが穏やかで、時には止まっている様な気がします。
9月は大変ですけど^^

★yk2さま
アリーヌの足元にネコがいる方のですか?
私もあの構図好きです。

★てんとうむしさま
家族の絵画の中にルノワール自体は登場していませんが、
どの絵にもルノワールに見守られている家族達の様子が感じられますね。

★いっぷくさま
目の付け所が流石ですね♪
こういう描写の中にも時代をちゃんと感じさせる背景が織り込まれていますね。
by julliez (2007-02-13 01:16) 

TaekoLovesParis

知りたいと思っていたことが全部書いてある記事で、とってもおもしろかった
です。「そうだったのね~」、「なるほど~」と一行、一行、感心しながら読みました。
アリーヌとピエールの絵は、ものすごく明るい色彩!この色合いからも幸せ感
が伝わってきました。アリーヌは田舎のダンスのときと同じようにちょっと首を
かしげて、母親らしい落ち着きが伺えますね。

息子は3人とも、フレームから抜け出して映画の世界なんですね。
淀川長治さんの「きれいくて、きれいくて、、」、淀川さんらしい表現だなぁと思いました。

豊かな自然、パンとバター、ワインのおいしいオーブは今も変わってない、
人を惹き付ける魅力にあふれているんですね~~~。行ってみたいです。
by TaekoLovesParis (2007-02-13 23:07) 

julliez

taeko sama
そのときは、おまかせ下さい^^v
by julliez (2007-02-14 01:41) 

nicolas

やわらかい♡その優しいタッチはホントに癒されますね~
いいなぁいいなぁ♡愛も感じるなぁ~
by nicolas (2007-02-14 18:04) 

Renoirの記事に、万を持してまいりました。中学生の時に、「ムーランドラギャレット」の輝きに魅了されて以来のファンです。
Renoirのこの採光は、彼の幸せな生活にもよるのでしょうか。暖かな女性とやさしい子供を描かせたらぴか一です。この才能が子供に伝承されて名をなさしめるのにも納得です。
Taekoさんと同感。淀川さんの声が聞こえそうです。
by (2007-03-26 03:11) 

julliez

★にこちゃんさま、Ikesan sama
コメントありがとうございます。
ルノワールは本当に人をひきつける魅力ある画家ですね。
by julliez (2007-03-28 13:58) 

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