neige sur les vignes

オーブは朝から雪景色であたり一面銀世界だそうです。

 

葡萄畑の雪景色。

2007年はシャンパーニュ地方以外にも北東フランスの事柄色々や、
たまには生産者のお話なんかも書きたいと思うのですが
 写真も記事になるネタも溜まる一方で埋もれそうです。

2006年の四方山話も終わっていない有様で、
気が付いたらまた収穫時期になって慌てふためいているかも知れません。

早くも言い訳ですねー。

 

 

少々前の話で恐縮ですが、雪景色で思い出したお話を。

フランスの冬は相当に寒いですが
雪が降ったら一度やってみたかった事、
それが真冬の畑の中でワインを飲む事。
（ヴァンショーではありません、フツーのシャンパンとかワインです。）

スキーなんかでたまにやる人いますよね、
どかっと雪の中にシャンパンをつっ込んでひと滑りしたら
抜栓して飲む、アレです。

 

そして

 

雪の中にシャンパンをつっ込んで丘を一巡りして体を温めてから一杯引っ掛けてやろうと企んだ私でしたが 

わざわざ冷やす意味がわからない位

強烈に寒かったです。

 

 

 

　　　　　

雪の畑（まぁ村全体ですが）は音が吸い込まれて、
無の世界です。

空気は限りなく透明に近く、まるで氷のように冷たくて、
なのに何故か心地よく胸の奥まで透明な風を吸い込んでいるような気持ちになります。

冬眠している葡萄の木に触れると、
生命の力強さを感じます。

夏の盛りにあの青々と繁っていた彼らとは全く別人ですが
愛おしさは変わりません。

へんな表現ですが
整然と並ぶ、非常に美しい（戦場跡の）墓地のようにさえ映ります。
（実際ブルゴーニュでは畑のすぐ隣に各村の墓地があり、いつも花が絶えません）

 

 

写真では伝わりにくいですが
フランスの田舎の冬景色は、独特の青さがあります。
例えば
森の景色も、緑ではなく、深い青色の森という感じなのです。

ま、雨も雪も降っていなくても
殆ど空の色は鉛色なので、そういう風に感じるようになるのかも知れません。

 

はーはーと白い息を出しながら（息切れとも言う）
ダラダラ歩いていると体は温かくなりますので
そのうちシャンパンはさっきよりも俄然、美味しく感じてきます。
で、ちょっとご褒美を飲んで陽気な気分になってきます。
（雪の中を何キロも歩いたご褒美です）

 

人の往来もありませんし、
得意の通りがかりのご近所さんのヒッチハイクさえも不可能です。
（余程の用事が無い限りわざわざ外には出ませんしね。）

でもこういう状態でブラブラするのも（短時間に限りますが）楽しいものです。

 

 

 

このような寒波が来る前は、ヴィニュロン（葡萄栽培者）は何を置いても畑へすっ飛んでいきます。
（たとえ外国からアポイントを取って訪問客が来ようと、ギリギリまで対応は家族に委ねます。）

 逆にこういう風に積もってしまえばどうする事もできないので
こういう日はじっくりと生産者と会えるかも。
（場合によりけりですが）

 

 

暖冬で葡萄樹が冬眠しないまま、年明けには新芽が出てきてしまうのでは？
なんてローヌ方面では60年前の悲劇の再来を恐れる声が多く上がっていましたが、
悲劇の再来は今の所聞こえてこないのでホッとしましょう。

休眠しないことも深刻ですが
新芽が出たりすると、こういう寒波が来た時に当然ながら全滅します。

つまり、

（年明け早々に）今年の収穫の見込みはほぼ無くなるという事なのです。

温暖化の影響はここにも深刻に現れています。

100年後のブルゴーニュではピノに打って変わってシラーが代表品種になるかもしれません。
コトーシャンプノワが偉大な銘醸ワインになる可能性はあるのでしょうか。
それは葡萄が実を付けられる環境が続くというベースであればできる笑い話ですけど。

 

私たちが楽しく飲むワインは自然からの贈り物ですし、
自然に対して、少しばかりでいいのでエコと云う形なんかでお返しをするのも悪くないような気がします。

 

 

コメント 14

雪の葡萄畑は厳かでもあり美しくもあり、そしてとっても寒そう。。。。
実際、いくらシャンパンを呑んでも暖まらないほど寒いのですね（笑）
やっぱりヴァンショーでお燗にしないとだめみたいですね～・・・
by noriko (2007-01-24 18:04) 

ブドウ畑が一面の雪畑なんですね
by toraneko-tora (2007-01-24 20:06) 

凄い雪景色ですね。
でも、こういうの好きです。
綺麗だな。
大きな長靴履いて、足跡つけて、お散歩したいな。
こんな雪の中でも葡萄の木は頑張って生きてますね。。。
by (2007-01-24 21:04) 

このまま地球温暖化が進めば、確実に栽培出来る地域や品種も変わっていってしまうのかも知れませんね。ブルゴーニュでシラー。そんな時代がもし来たら、東京は確実に亜熱帯かな。そうしたらマラリアが流行って、普通のワインじゃなくってデュボネがいい！、なんて「あるある」みたいな番組で取り上げられるのかも・・・（苦笑）。

ワイン・ラヴァーも、何かしなきゃ、ね。

ところでjulliさん、雪中シャンパーニュなんて思いつきに、現地の人は誰か付き合ってくれたの？（笑）
by yk2 (2007-01-24 21:27) 

ブルゴーニュ、シャンパーニュが飲めないとなると、、、
自分の孫子にもこのうまさを知って欲しい！地球を守らねば！
by Wino (2007-01-24 23:05) 

白い色は見ていると心が洗われる気がします。雪の日の音のない世界、
非日常的で憧れます。雪で冷やして飲むシャンパンも非日常的？（笑）

戦場跡のように見えるのは、戦い終わったあとと、収穫が終ったあとに
共通点があるからでしょうか。

地球温暖化は、２１世紀に私たちが解決しなければならない問題ですね。
おいしいシャンパンとワインのためにも、ね。
by TaekoLovesParis (2007-01-24 23:30) 

日本酒の燗をする時、ガスの火を使うのやめます。
シラーのエシェゾーは、まだ呑みたくないです。
by delphy (2007-01-24 23:36) 

今日のデュッセルドルフも冷え込みました。雪が降るかもという噂でしたが、それは無く、池の水が凍っただけでしたが。
新芽が年明け早々に出てしまうかも、なんて、ほんとに深刻な問題ですね。美味しいワインを楽しむためにも、人間は少し生活を改めなければなりませんね。
by めぎ (2007-01-25 05:37) 

今年、こちらは全く雪がありません
おかしいです
去年は大雪だったのになんだか寂しいです
by yoocomint (2007-01-25 08:54) 

寒そうですね～。
京都は暖冬でほとんど雪が降っていません。
しかし、すごい景色ですよ。　日本では見れない景色ですね。
でも、本当に寒そうです＾＾
by (2007-01-26 09:00) 

素敵な雪景色ですね～♡
数年前にクロ・ブージョの近くの畑に、車（タクシー）で乗り付けたのを
思い出していました。あの年も寒い１月でした。
ヨーロッパは暖冬って聞きましたが、そちらはちゃんと寒いようですね。
でも、生産者の管理は常に自然との闘い。。。でも、自然ってスバラシイ♡
by nicolas (2007-01-26 14:51) 

雪景色のブドウ畑もいいものですね。
雪に埋もれながら、春以降に美味しい実をつけるためにじっと我慢しているブドウの木が愛おしく感じます。
by (2007-01-27 22:55) 

雪のブドウ畑。
綺麗ですね。緑に輝く畑や、たわわに実った畑の画像はよく見ますが、雪の畑は初めて。
ちょっと田舎を思い出しました。
by miumiu (2007-01-31 17:06) 

みなさま

コメントご訪問ナイスをありがとうございます。

丁寧にお返事をしたいのですが
この有様です。

ほんとうにすみません。

でもコメント欄にメッセージがあると本当に嬉しい気分で
止めずに頑張ろうと思えます。

またゆっくり皆様の所へ遊びに行かせて戴きます。
by julliez (2007-02-03 02:58)