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[ひらめき]最終更新日:12/10/2011

アランビックなサンテミリオン [poitou-charente cognac地方]

サンテミリオンと言えば、まずボルドーの世界遺産地を思い浮かべそうですが
ワイン好きの面々にとってはこれまた銘醸酒の聖地の一つですね。

今日のサンテミリオンは葡萄の名前の方で
そして蒸留酒のお話です

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本日はオードヴィの王様 コニャック の登場です。



コニャックといえばブランデー(の最高級品)に分類されるのですが
昨今はセレブなイメージというよりも(セレブな)オジサンの飲物的なイメージが強くて
シルクのガウンでブランデーグラスを片手にユラユラしている昭和風味のセレブをイメージしちゃう方も多いのでは?(笑)

実際にフランスでも
ワインもオー・ド・ヴィ(ブランデー)も「おじさん」の飲むお酒って感じで
若者を中心にワイン(アルコール飲料)離れが結構深刻です。


シャンパンが発泡酒の最高級品としてハレの日仕様のイメージ戦略に奮闘したメゾンの広報活動部隊に比べて
コニャックは高級品路線だけにこだわりすぎて、時代に置いて行かれた感は否めません。
泡の最高峰であり高級であっても若者からも羨望の眼差しを向けられきらきらしたシャンパンのイメージに比べると
コニャックは、てかてかしたおじさんのお酒・・・という未だに禁酒法時代のアル・カポネ風のセピアな響きがあります。

なので最近のコニャックでは広告や宣伝にかなり力を入れ
若くて溌剌としたモデルを起用して、格調高さを失わない基本はお約束なのですが
オシャレだけどカジュアルにイメージ路線を上手に作っているように思います。
大手シャンパンメーカーの広告などうまくお手本にして、まさにファッション誌の一ページのようですし、
お洒落で高級、カジュアルに飲んでも品を落とさないセレブなお酒のシャンパン・・・というイメージ作りに燃えたシャンプノワの努力の功績を今更ですがサンプリングして
若返りを狙っています。

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最近は大きなブランデーグラスではなくて、あえてこんな小振りのコニャックグラスが主流
というか、流行です。
コチラの方が大袈裟ではなくてスタイリッシュですね。
向こうにシガーが燻らされていてもおじさん臭さはありませんね。
むしろシガーとコニャックの香りがとても絶妙な感じで漂って来ます。
コチラは大人の嗜みをサクッと表現しているバージョンですが
若者がワイワイとコニャックのカクテルを楽しむパーティ・バージョンもあります。

 

以前にも書きましたが
コニャックだってその線でイメージ巻き返しを図り、実は着々と成功しているのです。

例えば若いコニャックは冷凍庫で冷やしてシュエップスで割って飲む事を提案したり
(これ、チョコレートやオードブルのフォアグラのカナッペなんかに凄く合うのです)
適度なアルコール度数が胃袋を刺激してアペリティフのあとに続く食欲も増します。
そうしてアルコール度数を軽くする事で、気楽に飲めるカクテル風なコニャックシュエップスは
日本で言う所の今復活中のハイボールみたいな立ち居地なのかと思ってみたりしますがいかがでしょうか。
(まぁウィスキーと一緒にしたら、コニャックの人に怒られると思いますが人気においては完全に負けているので
文句は言えませんよねぇ。)


実際、コニャックは蒸留酒の中でも群を抜いて香りも余韻も極上のお酒ですので
この味わいを知ってしまうとお酒が少ししか飲めなくても、天国に行けるかのような恍惚感が感じられます。
仲間にはグラッパやアルマニアック、オードヴィ各種色々あるのですが
ワインを蒸留して造るという点においてはかなり贅沢で(グラッパやオードヴィはワイン用に絞った葡萄の絞りかすを再利用して造るものが圧倒的に多い)コニャックの人たちの気高さがそのままお酒に反映されているような気がします。

 

 


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コチラが、単式蒸留器アランビック・シャランテです。



単式アランビック蒸留器は白ワインを蒸留釜に入れて沸騰させ
その蒸気を頭部分に貯めた後パイプ(白鳥の首という)を通して冷却させ再び液化させてアルコール抽出するシステムで、
アラビアで開発された事からこのように命名されたのです。

 蒸気から再び液化されたアルコールはこんな風にアルコール度数を計られて飲料に向かない最初と最後の分は分別されます。

 

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コニャック地方はフランスで3番目に広い生産地で、
栽培者の大部分は小規模な生産者が大手会社に葡萄を売るスタイルが主流。

理想的なコニャックは酸が命なので蒸留される前のワインはちょっとそのままじゃワインとしては飲みにくい味わいなのです。
アルコール度数自体がワインの状態では低い(8度くらい)が捕糖は一切禁止
巷で話題のSO2 に関しては添加自体が禁止されているのです。
(そもそも熱処理されるから必要ないのですね。)




前にも書いたと思いますが、この辺りの地域は
Grand Champagne (グラン・シャンパーニュ)やら、
Fine Champagne (フィーヌ・シャンパーニュ)という
特別区画があるのですが、別に北東地方のシャンパーニュのように泡モノを作っているわけではありません。
その名の由来はチョーク質の土壌が「泡モノ」の本家シャンパーニュと殆ど同じ土壌質である事から来ているという説が有力なようです。



蒸留して間もないコニャックは透明です。

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あの琥珀色は熟成の過程で身に付ける深みのある色なのです。
(主にそれは樽に由来します)



そしてこうしてアルコール度数を計るのですが、こちらはとってもクラシックな手法です。
蔵元にはコニャックに限らず、どこにでもあります。

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 ブランデーの工程もワインに負けず劣らず物凄く奥が深いのです。
その工程は長くなるので今日はこの辺にとどめておきます。





【お買い物に役立つ豆知識として・・・・】

コニャックの熟成年数で言えば、公的保障の最低樽内熟成期間と言えば

VS または ★★★ 表示    で2年半~4年半
VO・VSO・VSOP・RESERVE で4年半~6年半
EXTRA・NAPOLEON・XO  で6年半以上~

しかしながら、6年以上からの樽熟年数は時に物凄いモノがあったりします。


1968年のかなり大樽がフツウにあるし・・・

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この昔ながらの超クラシックな瓶は、ヴィンテージ記載はありませんでした。
彼曰く、恐らく最低で80年~100年近い物。


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最初の写真の蔵の中の様子は、この大昔のコニャックの貯蔵用の入れ物だったのです。
古酒中の古酒になりますね。
もう凄い芳醇で複雑な香りで単独でもいい位ですが、コニャックはブレンドが主流。
単独ヴィンテージはアルマニャックのお家芸です。

 

コニャックの大手メゾンが何処まで古い酒をブレンドするのかは分かりませんが、
こういう小規模な生産者ならブレンド時に加減は自分達で判断するため、時には物凄い古酒なコニャックが出来上がったりするのです。
(飲んでみたいなぁ、完成品。)


 
こちらがコニャックでサンテミリオン呼ばわりされるユニ・ブラン

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比較的酸味が強くて、シャンパン同様に酸度のバランスを重視しながら収穫されます。
地酒(ヴァン・ド・ターブル)扱いでユニ・ブランの白ワインもコニャックの日常ワインとして出回っています。
オーガニック系のワインもありますが、酸がしっかりしているので無添加系でも嫌な風味は殆どありません。
かといって酸っぱいワインではないので気さくに楽しめます。
赤ワインはメルロー主体が多いです。
でも、まだまだ色んな意味で地酒の域を出ない感じです。
コニャック用か、ピノー・デ・シャラントになる方が重要的にも多いのかも知れませんが・・・。

 

実際のところ
私もこの地に来るまでは、コニャックは美味しいけれど高いしおじさんのお酒というイメージがありましたが
チョコレートとの組み合わせでは右に出るものが無いくらいの妙や
新たな楽しみ方の提案を受けて、それなりに想像力が広がった気がします。

上手く使い分けると、ムリにワインを1本飲みきるよりも
少しづつ時間をかけて、より色んなバラエティで長く楽しめるタイプの蒸留酒は結果的には安上がりになるのではないかしら。
あくまでも選択肢です(笑)
私はどちらも好きなので、飲みすぎに注意しつつ嗜みたいところです・・・。

 

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そんな新しいコニャックの魅力を今年は少し更新してみたいと思います。

もちろんアルザスの貴腐ワインの工程や、いつものワインの小話も織り交ぜながら
かなりユルユルとぼちぼち更新していければと・・・。

 

 


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