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最終更新日:12/10/2011
ピエールと私 [régionale 地域]
私の周りは仕事柄、色んなコレクションをする方が多いのですが
凝りだすと気になって仕方なくなるものが多いようです。
シャブリ 右岸
ワインといえば葡萄樹。
そしてワインの味わいを大きく左右する母体は大地です。
圧倒的な石灰質土壌(白亜質)のシャンパーニュ
つまり、
この土壌、土質、がポイントなんですが
最近気付いたら、石のコレクションがかなり増えています。
子供と同じレベルかよ!
って言われそうですが、その通りです。
土(大地)が葡萄に与える影響は実は圧倒的に凄いのです。
葡萄樹にとっては大地は母体でもあるわけで、育つ環境が人間にも大きく影響を与えるのと同じように
葡萄の個性も育つ環境で大いに変わります。
というのも葡萄樹の根は、想像以上に地中深く延びていきます。
表面で見られる葡萄樹は人間の高さくらいが(フランスでは)マックスですが、その根元では何10メートルも地中深く根を張るのです。
意図的に深く根を張らせるわけですが(横ばいになったらダメ)これが幾つもの地層を突き抜けて行くので複雑な味わいを与えると言われます。
科学的には根拠は無いのですが、実際に若い葡萄よりもより根の深く張った古木はより複雑な味わいをワインになってから感じられると言われています。
で、やっぱりこういう風にあらわになっている地層は強烈な興味の対象になるわけです。
これが葡萄樹の個性、しいてはワインの味わいに影響をもたらすからです。
通常はその地層は掘り返さなければ見ることが出来ませんが
こういう風に断層があればその周辺の地層の大体の想像が出来ます。
コチラはアルザス
比較的白葡萄に向いた土壌です。
でもシャンパンとは違いますね。
赤と言えばピノ・ノワールのアルザスの土壌はこういう感じです。
おなじピノ・ノワールでもブルゴーニュでは土壌も違います。
赤ワインの銘醸地はこんな感じ
見事なり。
石灰粘土質という土壌。
実際に畑も赤い土です。
ここには貝殻の化石がイッパイ。
コルトンの丘の近辺ですからブルゴーニュの高台です。
そこにはっきりと貝殻がありました。
この先にちょっと石灰質な土壌が広がりますから、そりゃ極上の白ワインが出来るわけです。
(白い石灰質な土壌はミネラル豊富なので白ワインに向いているといわれます。
貝殻まで発見したら、そりゃ魚介に合うわけが納得。)
畑で土をいじっていると、結構貝殻を多く発見します。
化石に近いものもでてきます。
例えばサンセールならこんな感じ
コチラはサンセール(ロワール)の石。
アンモナイトの化石です。
150万年前のもの。
ゴロゴロしています。
白ワインにフリンティ(火打石っぽい)ニュアンスがあるのはこの石のエキスの影響なのでしょうか。
コチラはジャンボなアンモナイト
シャブリの土壌では有名な化石ですね。
石もシャンパーニュとよく似ていて白い石灰質な石です。
この石は水を吸収しやすく、地下では水分を蓄えてくれるので葡萄樹の根はそこから水分を頂くのです。
勿論そのときにエキスも一緒に吸収するのでしょう。
さてこれが北のアルザスとかに行くと
小さな海の住人の卵のあとが見られます。
これは白ワインの土壌で、特級畑に多いです。
またこんな感じのものも土地柄、特徴的によく見られます。
赤っぽい色になります。
土も砂利じゃなくて粘りのあるものに。
そういえばお隣(近所です)のドイツもこんな感じのニュアンスの石が多く見られました。
(勿論産地によって石の個性も変わりますが)
ドイツは更に北で寒さや日照量の少ない環境に適する葡萄を品種改良してかなり交配品種が多い為
葡萄が土壌を選ぶと言うよりも、土壌や環境に適した品種を新たに作り出されたと言っていいでしょう。
まさに人為的な叡智と努力の賜物です。
斜面もありえないくらい強烈です。
日本の段々畑も真っ青ですが、ここにも交配品種の妙が見られます。
ヘタをするとフランスの葡萄よりも早くに結実しますし収穫前の葡萄の色付きが早いのを見て驚きました。
寒さに強くて成長が早いことが必須なのでしょう。
最近のドイツワインは新たなワイン法による辛口等級がはっきり分かりやすく出来たので甘い物、辛い物を昔ほど迷わずに買えるメリットがあります。
アルザスも残糖度の表示がバックラベルに記載され始めましたがまだシロウトには分かりにくいのが現状です。
そういえば北東ばかりですね。
ではローヌなんかも違いがはっきりしていて面白いですよ。
丸々した石が多いです。
これは河川でよく見られる感じの石と似ていますね。
だから畑もこんな感じ
こうして並べてみると
フランスが如何に個性豊かなワインを放ってくるのか理由の一つが垣間見られるような気がします。
土地と気候が葡萄の個性を育むことが感じられます。
では最後にアキテーヌから
ボルドーの右岸は場所によって面白い個性があります。
コチラはブライの石。
ブライは砂利質が多いので表面で認識できる石は意外に少ないです。
ちょっとした砂浜に近い感じです。
こちらはメルローに向いているようです。
(そういえば左岸のグラーヴ=砂利質と云う意味のアペラシオンもいい感じのメルローが育ったりするそうです)
そして同じシャンパーニュの名前のあるコニャックはこんな感じ
根はこんな感じで地中にたくましく張っていくのです。
生命力って凄いですね。
ちなみにこうして柵の上に石を置くのは畑仕事の合図。
今日はココまでやったよって意味です。
まだまだ石のコレクションは増えそうです。
あ、ピエールってのはフランス語で石のことも意味するんですけどね^^
開花がゆっくりとあっちこっちで始まってはいますが
生憎の天候不良で思うように畑仕事が進まないようです。
カラッと晴れてくれると嬉しいんですけどね。
そのうち突然の夏がやって来ることを想定しつつ
今年もいい感じで成長してくれるといいなと思います。
次回は葡萄畑の色々を
巷で気になる畑仕事の違いを追いかけつつ紹介できればと思います。
ではでは
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お~~。とても興味深い記事でした。
石好きにはたまらん(^^)
アンモナイトが畑から出てきちゃうとは、驚きです。
by miumiu (2008-06-16 01:51)
葡萄畑に海老の殻を埋めたら、海老にぴったりのワインができるかなぁ♪
でも、julliez さんは、かなり困りますよね・・・。
by Inatimy (2008-06-16 05:08)
こちらの方に来られることもあるんですか???
土壌によって、ブドウも異なるのは面白いですね。
スイスは、フランスタイプなのかしら?ドイツタイプなのかしら?
それともニュータイプ?(笑)
ラボのフェンス脇にぶどう畑が広がっています。
by どらっち (2008-06-16 06:24)
石灰が多いから、エスカルゴも殻が立派に育つんですね。
by めぎ (2008-06-16 06:58)
だいぶ、ご無沙汰しました
今日からブログ活動を再開しました
取り急ぎ、ご挨拶に伺いました
by toraneko-tora (2008-06-16 07:27)
興味深いですね!なんだか私も地層や石にもっと興味がわきそうです♪
私も凝り性なんで今は神社の近くを通りかかると狛犬がいるかどうか、気になって仕方ありません^^
いわゆる狛犬ヲタなんです^^;でも見れば見るほどだんだんのめり込んでいってしまうんですよね~^^
by Ballacki (2008-06-16 08:33)
石のコレクションって,本当に石だったんだ。
日本では、畑や果樹園の土に石がゴロゴロって見かけないですよね。
畑からアンモナイトですか?
畑とかにも石灰をまかなくていいですね。 いや~、凄いです。
by 真夏 (2008-06-16 09:35)
葡萄樹の根って凄いんですね~。
土壌と葡萄樹の関係も面白いです。
(^^)
大変勉強になりました!!
by blume (2008-06-16 10:19)
日本だと地層を見ることってあまりないですが、海外に行くといろいろな地層を普通に見ることが出来て面白いです。
初めてフランスに行ったときにたまたま地理の先生がツアーの中にいたんですけど、本の中でしか見たことのない地層を見てスゴク喜んで解説してくれたことを思い出しました。
by miffy (2008-06-16 10:28)
土壌との関係についてのお話、大変興味深かったです。
知れば知るほど、ワインも奥が広くロマンを感じます。
先日ウィーンで会った知り合いの趣味は、石集めでした。(*^^*)
by noie (2008-06-16 14:43)
石灰岩質の土壌は大昔の貝が堆積したものだとは聞いていましたが、アンモナイトが畑から出てくるんですね。どれだけの貝が眠っているのか、大自然の驚異です。
by crow (2008-06-16 15:07)
深い話ですね
柵の上の石が素敵です
by pace (2008-06-16 15:16)
エビの殻が出る地質からはエビにピッタリなワインってInatimyさんのコメント読んで、全身エビ模様と化した(もしくはエビの着ぐるみを着た)julliezさんを思い浮かべて笑いをかみ殺しています(くっくっ・・・)。
by yk2 (2008-06-16 21:06)
なるほど 納得!((φ(..#)((φ(..*)((φ(..。)メモメモ
これからワインを見る目が変わるぞ~~~^^
by mikosuke (2008-06-16 22:04)
”テロワールの入口”に入ったような気分になりました。
しかしピエールって石の意味でもあるんですね(笑)
by カフェオランジュ (2008-06-17 07:55)
素敵ー!
ロワールの土壌ってそんなだったんですね。
城しか見てなかった。。
by hima (2008-06-17 08:45)
出身もさまざまな大勢のピエール氏にお会いできて光栄です。
ミルフィーユみたいな地層も、なんだかおいしそー♪
いちいち味わいを思い浮かべながら読んだのでワインをたくさん試飲したような、ほろよい気分です(笑)
by てんとうむし (2008-06-17 22:16)
こうやって比べると違いがはっきりですね。
土壌の写真を見ながらそれぞれのワインを飲んでみたいですね。
by Ducca (2008-06-18 03:07)
ご訪問ありがとうございました。
石好きです。
プロフィールのお写真、かわいいですね
by hima (2008-06-18 08:06)
アルザスの土って赤いですもんね。郊外のお城とか、信じられないくらい赤いし。
ミネラル豊富な土って、やはりあるんですね。Contrex が硬水すぎて、飲めない人がいるんですけど、納得です。
by JF (2008-06-18 17:37)
すごい、すごーい!素晴らしいコレクションですねヽ(^o^)丿
土壌の違いは本などを読んで頭ではなんとなくわかっていたのですが、
実際に色々見たのは初めてです~!感激です(*^^*)
色々教えていただいて有難うございます~♪
by chercher (2008-06-18 19:54)
★みなさま、ご訪問とコメントをありがとうございます。
こんな地層ネタとピエールコレクションに反応していただいてありがとうございます。
ワインの産地はそれぞれ色々な個性があり、他にも色々ご紹介できれば良いかなぁと思いつつ
またお付き合いいただければ幸いです。
石灰粘土質土壌でアンモナイト以外に貝殻など海洋生物の化石は本当に多く見られます。
牡蠣の貝殻の化石もありますよ。
いくつかコメント頂いた海老に関しては多分殻が薄いので発見には至っていないのかも知れません。
まぁブルゴーニュの最高級クラスの特級白ワイン、コルトンシャルルマーニュ、モンラッシェ、ムルソー1級辺りは海老とクリームソースに合うといわれているので、機会があれば是非お試し下さいませ。
一生モノの美味しさであることは歴史が証明しているようです(・ω・)b♪
by julliez (2008-06-19 02:49)
奥が深いですね。とても興味深く読ませていただきました。
石肌の美しさにも改めて気がついたりして、写真も素敵ですね。
by echo (2008-06-19 15:10)
ほ~~、勉強になります。
断層がこんなに見えるところがあるんですね。
地層によってワインが違ってくるっていうのも、初めて知りました。
by rino (2008-06-19 16:21)
いろんな土壌やピエールに感激です^^
by こぼぱん (2008-06-21 14:54)