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最終更新日:12/10/2011
葡萄畑の一年 Nivôse [vignes 葡萄畑]
葡萄暦は多分収穫後から始まります。
一つ一つの作業は別途でご紹介するとして、今回はざっと一年の葡萄畑の移り変わりから。
長くなるので今回は秋冬編です。
9月半ばから後半にかけて、葡萄はこのように収穫されています。
収穫が終る頃は朝の霧が目立ってきます。
アルザスやボルドーのソーテルヌ辺りではこの頃も、高貴な葡萄の手摘み作業が毎日行われます。
こんな感じで貴腐菌が付くと葡萄は甘くなるのです。
貴腐菌が付いた葡萄だけを一粒づつ手で摘んで、残りの葡萄にまた貴腐菌が付くまで待ちます。
とても気の長い仕事です。
収穫が終った葡萄樹はあっという間に紅葉が進みます。
黄色くなったり、紅くなったり、
葡萄の品種によって変わるというよりも、土壌の質の方が影響を与えるようです。
紅葉は前にも書きましたが
貴重な緑の色素を自身の中にもう1度取り込んで来年の光合成のときまで貯めておくのです。
(エコと言うか、リサイクルですね。)
どんどん紅葉が進みますね。
リセの村を望む葡萄畑からの絶景スポットより。
こちらはエペルネの風車のある丘を望んで・・。
(ブルゴーニュの黄金丘陵とはまた違うスケールですね。)
ここから落葉が一気に進むと、もう冬そのものの風景になります。
無駄な枝は取り除かれ、葡萄樹は樹液の循環を止め冬眠に入ります。
収穫後も畑仕事はいっぱいありますので生産者は雨がちの晩秋でもカーブと畑を行ったり来たりです。
枝を落としたり、もうくたびれて葡萄を作れなくなった古木の引き抜きや、杭の交換、区画の調整など、
来年の畑仕事を想定しつつ、色々考えます。
寒くて重労働です。
杭は最近木製のものから金属の物へ変わって行きつつあります。
理由は長持ちをするからです。
さて
オーブの女神様も様変わりしていきますよ。
落葉するとこんな景色になります。
晴れの日は空が青いのでまだ色を感じますが、殆どどんよりした曇りがちな冬は、全く無彩色の世界になります。
夏はこんな感じでした。
まるで別人のような顔を持っていることがお分かりいただけると思います。
葡萄樹は観察していると細かいところも面白いのですが
遠くから眺めていても様々な表情が景色と一体化して映えます。
収穫のときのような慌しさはもうどこにも無くて
とにかく静かです。
霜対策も行いつつ、畑を放っておく事はありません。
すっかり冬眠中です。
晴れた日は美しい黄金色の景色が広がります。
お天気がいいと、本当に気持ちがいい冬の景色です。
でもやはり冬と言えば雪が構図的にちょっと欲しいところですよね。
(オーブはシャンパーニュの南なのでそんなに雪が積もるわけではないのですが降ると凄いです。)
それではフランスならではの蒼い冬の到来でお楽しみいただきましょう。
ブルゴーニュより
(加工していませんが、これは今迄で一番蒼く映った写真です。)
オーブでございます。
日本酒の燗をポットに入れてパトロールするのが楽しみで定着中です。
(さもなくば凍え死にます。撮影はもっぱら徒歩ですし・・。寂しいし・・・。
i pod とお水と日本酒ポットとそしておやつは必需品です。)
ホットワイン(ヴァン・ショー)を飲みますか?
と日本からよく質問されますが、私の周りの人たちは殆ど飲みません。
みんな普通のワインを普通に飲みます。
だいたい彼らの交流がある生産者たちの自慢のワインが中心にセラーにおかれているので、ヴァンショーにされる事はあり得ません。
ヴァンショーは紙パックとかに入って売られている安ワインがいろんな意味で向いているのです。
注:)ヴァンショーは赤ワインにスパイスを入れたり何だかんだ入れてアルコールを飛ばしつつ体を温めるホットなワインなのですが、寒い時期のお祭りで大活躍しています。
実は、生産者って皆さんが想像するほどそんなに毎日ワインを飲んでいるわけではありません。
毎日朝早くから仕事(労働)しますし、眠たくなるので普段は飲まない人が多いです。
週末に友人が来たりするとアペリティフを含めて食事をしつつワインも飲みます。
(あ、お仕事で試飲をしつつ流れでそのまま食卓で飲むことはありますよ。)
ただしワインは大好きな彼らですから、皆で飲みだすとかなり楽しいです。
エペルネの雪景色
葡萄畑は沈黙を守っていますが圧巻ですよ。
全ての音が吸収されて、冷たさも空気も違います。
肺の中まで洗われるような冷たさです。
(心も洗われるような気分です。)
さてこれから春への移り変わりはこの次にご紹介しますね。
ではでは
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肺まで凍るような気温なんでしょうね?
寒い思いまでして、こんなに写真を撮って 見せてくださって
本当にありがとう。
ずっとずっとずっとむこうまで ブドウ畑なんですね。この写真でも充分圧巻です。
by miya_gon (2007-11-13 20:26)
まず貴腐葡萄にときめいて、すべての写真にknock outされっぱなしです。
by noriko (2007-11-13 22:30)
すべての写真がすばらしいですね~
雪景色の葡萄畑は始めて拝見しました。
蒼い雪景色とっても素敵です。
九州に住んでいると想像することしかできませんが、肺まで凍る寒さってどんな寒さなんでしょうね。
by miffy (2007-11-13 22:43)
貴腐菌を見たのは初めて。 結構スゴイ感じでつくんですね。
でも、甘いワイン大好き♪
暑いのよりも寒い方が好きなので、
julliez さんの後ろを子犬のようについて歩いてみたいです♪
お菓子等の荷物持ち担当で・・・。
by Inatimy (2007-11-13 22:57)
ずっと眺めていたいようなきれいな写真の連続。ブルゴーニュの蒼い冬景色もすてき
ですね。
生産者さんも毎日飲んでいるわけではなくて、ねむくなるといけないとか、
仕事優先なんですね。
by TaekoLovesParis (2007-11-13 23:47)
とてもきれいなお写真で、絵はがきのようです。
by noie (2007-11-14 00:05)
貴腐葡萄って一粒づつ収穫するのですか!!!
知らなかった。
それは大変な時間と労力ですよね。お高い訳です。
無彩色な冬景色もまた素敵ですね~。
by miumiu (2007-11-14 00:50)
素敵な景色ですね。癒されました~。
by (2007-11-14 01:15)
紅葉の絶景と青い風景、絵心をそそられます。
by ミカチ (2007-11-14 01:52)
また貴腐ワインが飲みたくなってきました・・・ちょっと高いからなあ・・・
by めぎ (2007-11-14 06:47)
蒼い雪景色・・とっても綺麗ですね。空気が浄化されて張り詰めている感じ・・
お写真はうっとり見ていられるけど・・寒いのでしょうね~~
by rino (2007-11-14 09:00)
貴腐の葡萄って、一粒ずつ摘むんですね。すごい!!
そして蒼い雪景色にも感動です~
by シェリー (2007-11-14 12:59)
雪を踏みしめる音が聞こえてきました。
by delphy (2007-11-14 13:58)
詩のようなブログとそれにぴったりな写真。美しいです。
生産者の方がワインをそんなに飲まないのって、クラシック音楽家がそんなにクラシックをいつも聴いているわけではないのとちょっと似ている気がします。私は1日の夜になるとジャズを中心にバックグランド系を良く流しています。音楽院の時の恩師のお家では音楽は一切流れていないんです。面白いですよね。
by newyork (2007-11-14 14:16)
貴腐ワインは、貴腐が付いたブドウだけで作られるのですね、
ブドウ畑の紅葉は、小金色で美しいですね、
ブドウ畑の雪景色素晴らしいですね、初めて拝見しましたょ。
by wakatate (2007-11-14 16:37)
冬の間は畑は放置しているのかと思っていましたが、いろんな仕事があるんですね。
「ヴァン・ショーはあまり飲まない」というのは納得です。いいワインをヴァン・ショーにしてしまうって、せっかくの新鮮な魚を煮付けにしちゃうみたいな感じなのでしょう(と自分なりのたとえで納得)。
by aia (2007-11-14 19:57)
冬の蒼い葡萄畑素敵♡
肺の中が洗われるようだ・・って、わかるような気がします。
一度、貴腐菌になってみたい。。。
by nicolas (2007-11-14 21:19)
四季の移り変わりと農作業について、興味深く読ませていただきました。
by krause (2007-11-15 04:43)
貴腐ワイン・・・なんてロマンティックな姿なのでしょう。
この子が、私達を、コロっと。トロ~リさせるのですね^^。
by (2007-11-16 14:19)
貴腐葡萄ってはじめてみました。一粒ずつ手で摘んでいくって気の遠くなるような作業ですね。
でも満足のいくものを作るためには手を抜かない。本当にワイン作りって職人技なんだなぁと思います。
雪の葡萄畑 聞こえてくるのは自分の息遣いと雪を踏みしめる自分の足音だけ…ってかんじかしら…静かです
by (2007-11-20 07:44)