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[ひらめき]最終更新日:12/10/2011

収穫前のお仕事 +Bourgogne+ [travail 仕事いろいろ]

今日は収穫前に行われるお仕事について・・・。


8月に入ると葡萄が色付いて来ます。

 

色付きするとうどん粉病の心配がなくなるのでその為の薬の散布が終わります。
(もちろん、最近はどこの生産者も出来る限り農薬の使用を最低限に抑えるのは常識です。)

あとは天候によってボルドー液を何時まで散布するか判断します。
(最低でも収穫の3週間前には全てのヴィニュロンは農薬の散布を止めなければなりません。)

天候が順調ならば8月は葡萄が成長するがまま、そして必要に応じて葉の剪定をしたり、畑仕事をしつつ、収穫の準備に入ります。

 

セラーでの大切な仕事は瓶詰め作業と、空になった樽の洗浄と乾燥です。

今年の八月は雨が多くて中々乾燥させるのに苦労が多かったようですが、
開花が早かったせいで収穫が前倒しになるのは予測が出来たので多くの生産者たちはバカンス計画を変更しつつ収穫の準備に備えたようです。

 

 

これらの樽で眠っていたワインは瓶に移し変えられ蔵元でまた一休みします。
そして洗浄された樽は天日で乾燥させ、2007年の葡萄果汁が発酵しワインになる為のゆりかごとなるのです。
(樽を使用しない場合はタンクを使いますがもちろんこれもかなり清潔に洗浄されます。)

 

 

さて、樽の中でどれくらいワインが眠るのかは、ワインの種類によってもマチマチです。

ブルゴーニュでは発酵が終わったらそれ以上樽で寝かせる事は殆どありませんので1年(もしくは2年、これは発酵の状態にもよります。)位です。
イタリアのバローロ・リゼルヴァのように5年も樽の中で寝かせる事は皆無ですし法律上の規制もありません。

 

さて、こちらはドメーヌ内にて行われる瓶詰め作業。

ブルゴーニュは小規模生産者がひしめき合っていて瓶詰め作業のスペース、もしくは機材を確保できるところがボルドーと違ってかなり少ないため、こうして機材を搭載した専用車が大活躍で重宝されます。

こうして自社の領地内で瓶詰め作業がなされると
Mis en Bouteille au Domaine (ドメーヌ元詰め)とラベルに記載できるわけです。

 


瓶詰めのあと、ワインはもう1度蔵元のセラーで休まされます。
ラベル貼りは出荷直前に行います。
そうするとラベルがきれいな状態で消費者の手元に届くからです。
(これも設備の無い所は専用車を呼んで ラベル貼り Habillage を行います。)

 

どのボトルにどこの区画のワインを詰めたのか間違わないように確認作業も怠りません。
いまではパレットと言う専用の入れ物に入れると数量の管理もカンタンになります。

暑い間は絶対に出来ない作業ですから、気温が17度になる頃
(大体収穫前はこれくらいに気温が下りますし、今年は去年同様に既に涼しいので心配は要りません。)に村のあちこちで瓶詰めをする音が聞こえてきます。

 

そして洗浄するのは樽だけではありません。

収穫が始まると同時進行で醸造が始まります。

 

醸造では何が大切でしょう。

色々あります。

最も大切な事は清潔である事です。

葡萄たちを迎えるためにあらゆるものを清潔に洗浄します。

 

ホース、桶、ポンプ、プレス機、選果台など、
当日になって機械の機嫌が悪くなる事もよくありますので確認も忘れずに・・・。

 

破砕機の向こうはコンクリートタンクです。

白ワイン、赤ワインが造られる蔵元では収穫する葡萄の順番で用意される機材の配置も考えて設定されます。

 

これだけの準備は8月に入ってから行われるのですが、今年は約2週間前倒しで準備されています。

このあと、マダム達はスーパーや市場で収穫隊の食事の準備用に大量に食料を調達し始めます。
それを見ながら、ああ、あそこのドメーヌはそろそろ収穫を始めるんだな・・と分かるわけです。

一年でもっとも忙しくなる収穫の日々。
このために、地方に移った生産者の家族達も収穫休暇を取って戻ってきます。
(収穫休暇は何よりも優先されるのがお国柄です。)


この緊張感は、収穫が終わるまでピークに張り詰められます。

 

そして収穫が終わってみんながお祭りをしている間も、生産者(醸造家)の緊張は醸造過程が落ち着くまで続きます。

 

 


++オマケ++

今回の映像にご協力いただいた生産者です。

    

アミヨ・セルヴィル                  アニエス・パケ             マトロ・ウィッタシェイム

 


 

 

 


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コメント 30

お久しぶりです。
とても興味深い記事でした、先日私のブログで記事にしましたが
ヨーロッパは今ワインの分岐点に立っている感じがしますね。
テレビで見ましたが、ボルドーの生産者が新たなデザインのラベルで
売り込もうとがんばっていましたが、フランスワイン特有のラベルの雛形が
あるのか、保守的な生産者は「伝統」という名のもとに反対したようです。
”伝統”を守り続けるというのは、グローバルに展開しているマーケティングには
逆行することのようですが、やはり伝統は守りたい・・・
ほんと難しい問題ですね。
これからも私たちが知りえないようなワインの記事を楽しみにしてますネ。
by (2007-08-25 17:40) 

Wino

瓶づめ作業って、もっと暗いカーブの奥深くでやってるのかと思ってました!
結構明るい太陽の下でやってるんですねぇ~
by Wino (2007-08-25 18:28) 

krause

とても興味深く読ませていただいています。日本の味噌工場や酒蔵と少し似た空気があるような気がします。
by krause (2007-08-25 18:54) 

miffy

地域によって瓶詰めの仕方とかも違うんですか?
前にボルドーで見たのとは違うような気がするのですが・・・
10年くらい前だからやり方が変わってきたのかなぁ?
by miffy (2007-08-25 20:39) 

noriko

耳学問で机上で得た知識だけなので、こうやって現実に働いている方々の姿を見せていただいて感激です。
by noriko (2007-08-25 21:17) 

記事とは少しはずれますが、ちょっと質問です!
今回にブルゴーニュ紀行で、こけし君が気になったのが、葡萄の葉っぱを刈る足長の機械です。葡萄の葉や枝が伸びすぎて、日の光をさえぎらないように、この時期にもカットしているのでしょうね。
by (2007-08-25 21:47) 

*オマケ*コーナーの方々のお写真を見て「毎年、おいしいワインをありがとうございます」「今年も楽しみにしています」と、皆様に、声をかけたい気持ちでいっぱいです。
昔、ワインがとても好きで「ワイン農業に弟子入りしたい」と、思ってたこともありましたが、本を読んだり、julliezさんの記事を読んだりしていて、そんな、甘い考えでは、勤まらない事がしみじみと、感じました。
by (2007-08-25 23:14) 

Ducca

ワイン造りに関わるすべての人に感謝
こうやってひとつひとつ作られていくんですね。
今日もおいしくワインをいただきました。
by Ducca (2007-08-26 05:55) 

Inatimy

これだけ、ワイン作りがさかんだと、樽屋さん、かなりの数あるのでしょうか。
なんの木で出来てるのか気になります。
by Inatimy (2007-08-26 07:14) 

crow

おお、瓶詰め作業車ですか!
ナイスアイデアです。
さすがはワイン大国・・・
歴史も生活への浸透ぶりも、日本とは比べ物にならないですね。
by crow (2007-08-26 09:40) 

wakatate

フランスのワイン生産者の様子ありがとうございます
フランスでは各生産が、ブドウの栽培からビン詰め
までしているのですね、山梨の勝沼などでは、農協を
通じて、ブドウはワイン工場に売っているようです、
自宅で飲む分くらいは、各農家が作っています、
以前は、税務署の検査が厳しかったようですが
最近のことはよく分かりません。
by wakatate (2007-08-26 15:39) 

とてもとても面白く読ませていただきました
こういう裏事情を知って口にするワインの味は また格別でしょうね
みなさんのワイン ぜひ飲んでみたいです
by (2007-08-26 17:47) 

toraneko-tora

今日テレビでカリフォルニア・ワインの葡萄畑を見ましたが、ヨーロッパのと比べて木の列の間がかなり広いみたいでしたが・・・・・・・機械か車でも通すんでしょうか ?????
by toraneko-tora (2007-08-26 19:48) 

RangerMaeda

なんか、ブログって凄いなぁーって、ここへくるといつも思います
こんなに身近にフランスのワイン創りの話や画像が見れて
ホントに、いつも感動と感謝してます
by RangerMaeda (2007-08-26 20:56) 

ハイマン

こうやって長年 ワインは造られてきたんですね^^
ワイン 特別な日しか飲まないけど飲みたくなってきました!
by ハイマン (2007-08-26 22:11) 

aia

樽や器具を清潔に保つために、こんなに努力をしているとは知りませんでした。潔癖大国日本に比べると、フランスは衛生観念が割とラフだと思っていましたが、要所要所ではきちんと気を配っているのですね。
by aia (2007-08-27 00:40) 

Mimosa

収穫前もいろんな作業があって忙しいのですね~。
瓶詰作業の様子や樽や他の器具などをとても清潔にしている様子がよくわかり、安心しました...^^!
これから収穫、そして、醸造・・・と、ワインが出来る一番重要な時期を迎えるのですね。
今年収穫されて出来るワイン、美味しくなることを願ってます~☆
by Mimosa (2007-08-27 01:24) 

ひとつのワインができるまでに大変な作業があるんですね~。。。
あらためて実感しました。
生産者の方々の表情が素敵ですね!
by (2007-08-27 06:24) 

めぎ

樽を洗うとは!
想像もしていませんでした・・・
by めぎ (2007-08-27 06:25) 

いよいよ収穫間近なのですね。
忙しい時期がやってきますね。 頑張ってください。
by (2007-08-27 08:09) 

rino

先ほどはご訪問ありがとうございました。
こちらはとても素晴らしいブログですね。写真に収められた自然も葡萄も人も芸術品のようです!
知らないことばかりなので、ゆっくり読ませていただきます。
ビン詰め作業車とは面白いですね♪
by rino (2007-08-27 08:56) 

タメになりました。
ナマで見てみたいですねー。

julliezさん、写真のセンス、イイっすね、
by (2007-08-27 20:31) 

シェリー

私も皆さん同様に、こんな風景を見せていただけて幸せ感じます~
手作業でこんなふうにワインを詰めていったりするんですね。
なんだかますますワインを大切に美味しく味わって飲みたいな。
って気持ちになりました~
by シェリー (2007-08-28 10:45) 

どらっち

ワインの製造過程がみれて、面白かったです。瓶詰め、ラベル貼りの専用車があるなんて。もし、近くへ行く事があったら、これらのワインを購入してみたいですね。
by どらっち (2007-08-29 03:30) 

julliez

みなさま
ご訪問と心温かいコメントをありがとうございます。
まとめてのお返事でスミマセン。

時間が出来たら、コメントで戴いているご質問について次回の記事で更新してお答えしたいと思います。
いつも本当にありがとうございます。
by julliez (2007-08-29 15:02) 

nicolas

すごい!裏方作業興味津々ですー
身を乗り出して見ちゃった。

julliezさんのこの記事、見た記憶あるのに、ご訪問してなかったのは何故・・・?
と、自分で問いただしてみたら、調度こちらへ伺った時に雷雨酷くなっちゃったので、
諦めてパソコン閉じて、そのまま半分まで読んだままでした・・(-ω-;)
by nicolas (2007-08-31 18:02) 

ミカチ

アルザスでこの瓶詰め風景を見ました~。
そういうことだったのですね。勉強になりました。
沢山の機材を清潔に保つのは大変な作業ですね。
by ミカチ (2007-08-31 21:04) 

nico

お久しぶりです。
『あいまいテンション』新装開店しました。 c(^-。-^,,)nico)~"
今日は挨拶だけ… m(_ _;)mヨロシク
by nico (2007-09-01 16:19) 

Mimosa

julliezさん、こんにちは~。
私のブログ上で、julliezさんのブログを紹介して、リンクさせていただきました。
ご迷惑でなければいいのですが・・・。
by Mimosa (2007-09-02 12:35) 

いっぷく

見えない部分でたいへんな作業をしているんですね、
興味深く読ませていただきました。
by いっぷく (2007-09-04 20:24) 

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